研究課題
椎間板変性(IVD)モデル動物として、12週齡ラット尾椎椎間板の穿刺モデルを作製し、その手法によるIVD誘導の再現性を、軟X線撮影とMRIで確認した。次に、32匹のラットに本手法でIVDを誘導後(同一ラットの尾椎の3椎間で、Co5/6椎間は無穿刺、Co6/7半穿刺、Co7/8全穿刺)、2週目より連日(週5日)にプラセボまたはAP-1阻害薬を経口tubeにて投与し、4週、8週での観察を行った。本阻害薬は、AP-1/DNA複合体のX線構造解析結果を基にデザインされた特異的AP-1阻害薬である。その結果、X線像では4週後では2群間でdisc height index(DHI)の差を認めなかったが、8週後ではAP-1阻害薬投与群で、半穿刺、全穿刺の何れでもDHI減少が有意に抑制された。4.7T MRIのT2mappingによる解析でも、4週投与では差を認めなかったが、8週投与後では半穿刺、全穿刺のどちらもプラセボ群に比べAP-1阻害薬投与群で有意にT2値が高かった。組織学的解析では、AP-1阻害薬投与群において、8週後の線維輪の破綻と髄核変成の進行が抑制されており、histological grading scoreも有意に高値であった。IVD早期における椎間板の各種遺伝子発現を検討したところ、AP-1阻害薬投与にてcol2a1などの発現上昇を認める一方でmmp-13発現などが有意に抑制されており、AP-1の直接の下流の遺伝子発現の変動を認めた。以上の結果は、軟骨変成の共通pathway解析からターゲットとして選択したAP-1の阻害により、椎間板についても変性の進行を阻止できる可能性を、初めて示したものである。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Biochem Biophys Res Commun
巻: 446 ページ: 876-881
http://dx.doi.org/10.1016/j.bbrc.2014.03.025
Int J Rheum Dis
巻: 17 ページ: 749-754
http://dx.doi.org/10.111/1756-185X.12227