研究課題
平成26年度は下記の成果を得た。1. iPS細胞を用いた機能解析:前年度までに樹立した候補遺伝子(MAFZと仮称する)の変異を有するMaffucci症候群患者由来のiPS細胞の解析を引き続き行った。軟骨分化誘導系を前年度まで用いていた胚様体形成を介する誘導系から、研究者らが樹立した神経堤細胞由来の分化誘導系に変更し、間葉系幹細胞から軟骨細胞へと段階を経た誘導を行ったところ、MAFZ変異iPS細胞は三次元培養により軟骨塊を形成できず、基質形成能が障害されていることが判明した。この結果は、変異IDH遺伝子を導入したiPS細胞を用いた結果と同様であり、Maffucci症候群患者の軟骨細胞に共通した表現型であると考えられた。この機能の相違が、原因遺伝子によるものであることを明確にするために、変異部位を正常配列に置換したrescued iPS細胞を、CRISPR/Cas9システムを用いて作製中である。2. 結合蛋白の同定:結合蛋白の同定に向けて、IL2RとIRESで結合させた正常及び変異MAFZを強制発現させ、FLAG-HAタグで免疫沈降を行い、結合蛋白をLC MS/MSを用い分離、アミノ酸配列の解析を行った。3. IDH遺伝子との相互作用解析:Maffucci症候群の原因遺伝子の一つとして同定されたIDH遺伝子との相互作用を解析するために、変異IDH遺伝子を薬剤誘導型発現ベクターに組み込み、それを標準的iPS細胞に導入し、変異IDHが軟骨分化過程で発現できるiPS細胞を作製した。その細胞を用いて、変異IDHの発現により、我々が同定した候補遺伝子の発現及び機能がどのような影響を受けるかを解析している。4. 遺伝子改変マウスの作製:マウスES細胞の病態関連候補遺伝子のマウスホモログ遺伝子に、ヒトで検出されものと同等の変異を、相同組み換えにより導入することを試みている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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