現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、軟骨細胞脱分化過程の詳細な解析を行った。Col11a2-EGFPトランスジェニックマウス由来軟骨細胞培養のタイムラプス撮影と、Col11a2-Cre; Rosa26-stopfloxed-YFPマウス由来軟骨細胞培養のリニエージトレーシングを行い、軟骨細胞培養後に出現する線維芽細胞様細胞が脱分化した軟骨細胞であり、培養開始時に元々存在する少量の線維芽細胞が優位に増殖したものではないことを示した。この結果を、Minegishi Y, Hosokawa K, Tsumaki N. Time-lapse observation of the dedifferentiation process in mouse chondrocytes using chondrocyte-specific reporters. Osteoarthritis Cartilage 2013; 21: 1968-1975. に報告した。また、XI型コラーゲン遺伝子のプロモーター・エンハンサー配列の活性は、軟骨細胞で認められ、脱分化すると認められなくなることを明らかにした。この知見は、XI型コラーゲン遺伝子のプロモーター・エンハンサー配列の活性は、ヒト皮膚線維芽細胞をダイレクト・リプログラミングによって軟骨細胞へ変換するときのレポーターとして使用したときに役だった。このダイレクトリプログラミングは、Outani H, Okada M, Yamashita A, Nakagawa K, Yoshikawa H, Tsumaki N. Direct induction of chondrogenic cells from human dermal fibroblast culture by defined factors. PLoS One 2013; 8: e77365. で報告した。また、H26年度に行う予定の、関節軟骨の分化解析とSIK3の関節軟骨機能解析に使用する材料の準備を行った。以上の経過より、おおむね順調に進展していると考える。
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