思春期特発性側弯症の進行予測モデルの確立

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24390357
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 松本 守雄 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40209656)
• 研究分担者: 渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60317170)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 特発性側弯症 / 遺伝子 / 環境因子

研究実績の概要

思春期特発性側弯症(AIS)の発症・進行に関与する遺伝的因子および環境因子を調査した。
ゲノムワイド相関解析（GWAS）をAIS患者3064例、コントロール 14690例で行い、1000人ゲノムプロジェクトのデータベースを基に統計学的遺伝子多型の推定法であるimputationを用い、発症・進行因子となる遺伝子を同定を試みた。その結果、ゲノムワイドレベルで有意な一塩基多型を一つ同定した。同SNPは神経、軟骨、卵巣などに発現する遺伝子X中に存在した。in vitroの解析から、このSNPにより本遺伝子が過剰発現することがわかった。また、海外施設と協力し、AISの疾患感受性遺伝子PAX1を同定した。同遺伝子は脊椎・脊髄,骨格筋に発現し、日本人およびCaucasianとも有意な遺伝子であることを確認した(Nature Communications 2015)。一方、重症化に関与する有意な一塩基多型も複数同定し、現在、再現性の確認および機能解析を行っている。
東京都予防協会、慶應義塾大学、順天堂大学を側弯症の疑いで受診した側弯症患者および同年代の側弯症の無い対照、計3,000人にX線検査および詳細な生活習慣・運動歴・食生活などの環境因子を網羅的に調べたアンケートを行った。その結果、まだ予備的な解析の段階であるが、やせ形の体型やある種のスポーツが側弯発症と関連している可能性が示唆された。一方で、睡眠、カバン、周産期の母体の状況などは側弯との関連を認めなかった。
以上の様に、これまでの研究から側弯の発生および進行に関与する複数の遺伝子および環境因子が同定され、側弯の発症・進行を予測する上で貴重な情報を得ることができた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] A PAX1 enhancer locus is associated with susceptibility to idiopathic scoliosis in females (2015)
  • 著者名/発表者名: 27) Swarkar Sharma, Douglas Londono, Walter Eckalbar, Xiaochong Gao, Dongping Zhang, Kristen Mauldin, Ikuyo Kou, Atsushi Takahashi, Morio Matsumoto, Nobuhiro Kamiya, Karl Murphy, Reuel Cornelia, John Herring, Dennis Burns, Nadav Ahituv, Shiro Ikegawa, Derek Gordon, Carol Wise
  • 雑誌名: Nature Communications 巻: 6 ページ: 6452
  • DOI: 10.1038/ncomms7452
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] A meta-analysis identifies adolescent idiopathic scoliosis association with LBX1 locus in multiple ethnic groups (2014)
  • 著者名/発表者名: Londono D, Kou I, Johnson TA, Sharma S, Ogura Y, Tsunoda T, Takahashi A, Matsumoto M, Herring JA, Lam TP, Wang X, Tam EMS, Song YQ, Fan YH, Chan D, Cheah KSE, Qiu X, Jiang H, Huang D, ,Su P, Sham P, Cheung KMC, Luk KDK, Gordon1 D, Qiu Y, Cheng J, Tang N, Ikegawa S, Wise CA
  • 雑誌名: ournal of Medical Genetics 巻: 51 ページ: 401-406
  • DOI: 10.1136/jmedgenet-2013-102067
  • 査読あり
• [雑誌論文] 最新基礎科学/知っておきたい 思春期特発性側彎症発症に関する新たな遺伝子GPR126 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高橋洋平, 黄 郁代, 松本守雄, 池川志郎
  • 雑誌名: 臨床整形外科 巻: 49 ページ: 72^75
• [雑誌論文] 思春期特発性側弯症の全ゲノム相関解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本守雄, 高橋洋平, 小倉洋二, 渡辺航太, 戸山芳昭
  • 雑誌名: 整形・災害外科 巻: 57 ページ: 295-299
• [学会発表] 思春期特発性側弯症の原因遺伝子 -遺伝子診断の現況 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高橋洋平, 小倉洋二, 黄郁代, 高橋弘, 河野克己, 川上紀明, 辻太一, 宇野耕吉, 鈴木哲平, 伊東学, 須藤英毅, 南昌平, 小谷俊明, 柳田晴久, 種市洋, 米澤郁穂, 渡辺航太, 戸山芳昭, 松本守雄, 池川志郎
  • 学会等名: 第48回日本側弯症学会学術集会
  • 発表場所: 盛岡
  • 年月日: 2014-10-30 – 2014-11-01
• [学会発表] 思春期特発性側彎症の全ゲノム相関解析―発症・進行予測への応用を目指して― (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本守雄, 高橋洋平, 小倉洋二, 三宅 敦, 渡辺航太, 戸山芳昭, 池川志郎
  • 学会等名: 第29回日本整形外科基礎学術集会
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2014-10-09 – 2014-10-10
• [学会発表] 思春期特発性側弯症の大規模ゲノムワイド相関解析：新規の座位の同定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 795)小倉洋二, 松本守雄, 黄 郁代, 高橋洋平, 河野克己, 川上紀明, 宇野耕吉, 伊藤 学, 南 昌平, 米澤郁穂, 辻 太一, 鈴木哲平, 須藤英毅, 渡辺航太, 戸山芳昭, 池川志郎
  • 学会等名: 第29回日本整形外科基礎学術集会 2014.10.9-10
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2014-10-09 – 2014-10-10
• [学会発表] A genome-wide association study identified a novel susceptibility locus for severe adolescent isiopathic scoliosis (2014)
  • 著者名/発表者名: 287)Miyake A, Matsumoto M, Takahashi Y, Ogura Y, Kono K, Kawakami N, Uno K, Ito M, Minami S, Yanagida H, Taneichi H, Watanabe K, Tsuji T, Suzuki T, Sudo H, Kotani T, Yonezawa I, Chiba K, Toyama Y, Ikegawa S
  • 学会等名: Scoliosis Research Society 49th Annual Meeting & Course
  • 発表場所: Anchorage
  • 年月日: 2014-09-10 – 2014-09-13
• [学会発表] rs11190870 is not associated with severity of adolescent idiopathic scoliosis in Japanese. (2014)
  • 著者名/発表者名: 281)Takahashi Y , Inaba I, Kono K, Kawakami N, Uno K, Ito M, Minami S, Yanagida H, Taneichi H, Yonezawa I, Ogura Y, Tsuji T, Suzuki T, Sudo H, Kotani T, Watanabe K, Toyama Y, Matsumoto M, Ikegawa S
  • 学会等名: 10th Meeting of the International Research Society of Spinal Deformities
  • 発表場所: Sapporo
  • 年月日: 2014-06-29 – 2014-07-02
• [学会発表] 思春期特発性側弯症のゲノムワイド相関解析. 側弯の発症に関与する遺伝子の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小倉洋二, 河野克己, 川上紀明, 宇野耕吉, 伊東学, 渡辺航太, 戸山芳昭, 松本守雄, 辻太一, 鈴木哲平, 須藤英毅, 高橋洋平, 南昌平, 小谷俊明, 柳田晴久, 米澤郁穂, 細金直文, 種市洋, 千葉一裕, 岡田英次朗, 池川志郎:
  • 学会等名: 第43回日本脊椎脊髄病学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2014-04-17 – 2014-04-19