研究課題/領域番号 |
24390361
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
脇谷 滋之 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (70243243)
|
研究分担者 |
高木 睦 北海道大学, 工学研究科, 教授 (20263212)
橋本 祐介 大阪市立大学, 医学研究科, 講師 (10382178)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 軟骨修復 / 体性幹細胞 / 軟骨シート / 関節鏡視下手術 / 骨髄 / 軟骨分化 |
研究概要 |
我々は体性幹細胞の一種である骨髄間葉系幹細胞に注目し、1998年、世界で初めて臨床応用した。その後約40例に施行し、局所の感染や腫瘍形成を認めない、安全な方法であることを報告した。しかしながら、従来法では手術侵襲が大きいという問題がある。より手術侵襲の小さい、関節鏡視下に軟骨修復方法を行うために、in vitroで骨髄間葉系幹細胞から軟骨シートを作成し、そのシートをヒトで関節鏡視下に移植できる技術の開発を試みた。 骨髄間葉系幹細胞からin vitroで小さな軟骨ペレットを作成する方法はすでに報告されていた。シート状にすると収縮してしまう。我々は、自己骨髄間葉系幹細胞を、in vitroで収縮することなくシートの軟骨組織に分化させることが出来ることを報告した。しかし、従来の軟骨シートは軟骨基質の産生が不十分である。より高品質な軟骨シートの作成法開発を試みた。 これまで我々は、cell culture insertを使って細胞の下からも栄養出来るようにし、適当なメッシュの穴の大きさにより、細胞シートが収縮しないことを明らかにした。さらにcell culture insertにヒト問葉系幹細胞(1.8x10^6 cells)およびTGFβ、IGF1、デキサメタゾンなどを含む培養液(上側0.3ml、下側1ml)を入れ3週間培養すると高品質なシートが作成できることを明らかにした。しかし、その際、従来ブタ軟骨細胞を用いたシート培養で効果が認められていたGAG構成単糖やアミノ酸混液を添加したが基質蓄積密度への効果は認められなかった。一方、培養液上清中の基質濃度を測定した結果、合成された基質の多くがシート外へ漏出しており、より高品なシート作成のためには、今後漏出防止の検討が必要と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度では、移植に適した高品質の自己骨髄間葉系細胞により作成された軟骨シートの作成が目標で有り、ほぼ目標とする製品を作成することができた。しかし、さらに高品質なシートの開発に努める。
|
今後の研究の推進方策 |
より高品質な軟骨シートの作成、および自己骨髄間葉系細胞から作成された軟骨シートの前臨床試験の施行
|
次年度の研究費の使用計画 |
軟骨シートから、合成された軟骨基質の漏出を防ぎ、より高品質の軟骨シート作成、および家兎の実験系で前臨床試験の施行
|