研究課題
基盤研究(B)
遷延性術後痛(Persistent postoperative pain: PPOP)の機序の一つとして、創部治癒後も深部組織の炎症の残存により創部痛が残存するとの仮説を検証し、新たなPPOPの動物モデルの確立を目指した。ラットの足底切開と足底筋を液体窒素で挫傷を加えたモデルを作成し(挫傷群)非挫傷群と比較した。挫傷群では自発痛関連行動と、機械的痛覚過敏が非挫傷群に比べて有意に延長した。挫傷した筋肉には長期間、浸潤細胞が増加し存在し、患側の脊髄後角でのマイクログリアの発現も挫傷群で多く、有意に延長した。手術による深部組織の創傷治癒過程が残存することがPPOPの機序の一つであることが示唆された。
麻酔蘇生学