研究課題/領域番号 |
24390369
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
筧 善行 香川大学, 医学部, 教授 (20214273)
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研究分担者 |
杉元 幹史 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (10243768)
平間 裕美 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50552725)
張 霞 香川大学, 医学部, 助教 (30524061)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 低リスク前立腺癌 / PSA監視療法 / p2PSA |
研究概要 |
2002年1月から2003年12月までに134例の症例が厚生労働省「StageT1c前立腺がんに対する暫時無治療経過観察を初期治療戦略とする縦断的介入研究(11-10)」班研究にエントリーされ、うち118例がPSA監視療法を初期治療として選択した。1年後の再生検の結果において初期の規準を逸脱(Reclassification)した25症例と逸脱しなかった42症例の凍結保存血清の一部を用いて、エントリー時のp2PSAおよびその関連パラメーターを測定し解析した。その結果、エントリー時のp2PSAおよびその関連パラメーターは、PSAおよびその関連パラメーターに比較し有意に高値であることが分かった。また、積極的治療開始の主たるtriggerとされているPSA倍加時間やPSA velocityについても検討したが、これらのパラメーターは Reclassificationとの関連性は見出せなかった(投稿準備中)。 1年後の再生検でReclassificationとなる症例は、エントリー時に過小評価されている可能性が高く、その数は約30%前後あると報告されている。しかし、エントリー時のp2PSAでReclassificationとなることが予測できるようになれば、本来おとなしくない癌患者をPSA監視療法の候補から除外できる。つまりPSA監視療法をより安全に遂行できるようになり、PSA監視療法が世界中に広く施行されるようになる可能性がある。 その結果過剰治療率が格段に減少すると期待され、医療経済的にも恩恵は大きいと予想される。 2010年より新たに開始されたPSA監視療法の前向き試験であるPRIAS-JAPAN研究(欧州との国際共同他施設研究)に登録された患者においても、上記で得られた解析結果の妥当性を確認し、さらにp2PSAの推移と臨床経過との関連性を解析するため、2013年1月以降の新規登録患者を対象にp2PSAに関する付随研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PSA監視療法に関する前向き観察研究(厚労省がん研究助成金研究11-10)に登録された患者のbaselineの血清中のp2PSA値を測定し、1年後の再生検の病理所見との関係について解析した。現在、PSA監視療法に関する前向き研究であるPRIAS(Prostate cancer Research International : Active Surveillance)研究参加患者においても前向きにp2PSA測定を行い、その有用性について解析を行うため、症例を集めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
PRIAS参加施設は現在33施設であり、H25年4月末時点でp2PSAに関する付随研究の倫理委員会承認されたのは7施設である。残りの施設で早く承認が得られるよう協力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
採血管や保存管等の材料費・検体郵送費・p2PSAおよびその関連パラメーターの測定費など。
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