研究課題
【背景と目的】前立腺癌の早期発見や病勢進行のモニターとして、血清PSAは実臨床上最も頻用されるマーカーであるが、前立腺癌特異的でないことや、前立腺癌の悪性度との相関関係が弱いことが難点となっている。この点でPSAの前駆体タンパクの1つであるp2PSAは疾患特異性や悪性度との相関が高い可能性があり期待されている。本研究は、種々のp2PSA関連マーカーのPSA監視療法中の患者の病勢増悪検出指標としての意義を解明する目的で計画された。【対象】PSA監視療法を初期治療とし選択した日本人早期前立腺がんの前向き観察研究の二つのコホートを対象としている。一つ目のコホートは、2002-2003年に集積された厚生労働省がん件空助成金(11-10)の研究班で集積した患者群で、二つ目のコホートはオランダを中心に世界17ケ国で共同試験中のPRIAS試験に参加する日本人患者である。【結果】第一のコホートである厚生労働省研究班のPSA監視療法選択患者に関して、PSA監視療法開始直前の血清中p2PSA関連マーカーである%p2PSAやProstate health index (phi)の値と1年後の再生検での病理所見上の悪化との関連性を検討した。その結果、1年後の生検上の悪化(reclassification)の有無を予測する因子として単変量解析では前立腺の容積、生検の陽性コア本数、%p2PSA、phiが抽出され、さらに多変量解析では%p2PSAとphiのみが独立した予測因子であった。第二のコホートに関しては、PRIAS-JAPAN試験の付随研究として追加で倫理委員会の承認が得られた25施設の患者を対象に現在血清を順次保存しているが、本研究計画最終年度中の解析終了は難しい見通しとなっている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
World J Urol.
巻: Epub ahead of print ページ: 2014
10.1007/s00345-014-1453-8
J Cancer Res Clin Oncol.
巻: 140 ページ: 257-63
10.1007/s00432-013-1566-2.
PLoS One.
巻: 9 ページ: e97749
10.1371/journal.pone.0097749.