研究課題
本年度は、子宮内膜症および子宮腺筋症モデルを作成するため、これまで用いていた不死化子宮内膜腺上皮細胞だけでなく不死化子宮内膜間質細胞を入手し、両者を混合して免疫不全マウスに移植することで、より確実により内膜構造に近い内膜症様組織を腹膜に発生させることを試みた。既に作成した発光および蛍光シグナルを発し且つ非機能膜受容体を発現する不死化子宮内膜腺上皮細胞と入手した不死化子宮内膜間質細胞を混合し、膜受容体に対する磁気ビーズを標識した抗体と反応させて、両側の卵巣を摘出した免疫不全マウスの腹腔内に移植した後、ネオジムミニ磁石を腹壁に留置して、壁側腹膜への移植細胞の集積と生着を図った。免疫不全マウスにはエストロゲンを投与して4~10週間の間、移植した細胞の振る舞いを発光イメージングを用いて非侵襲的、リアルタイムおよび定量的にモニタリングした。結果は、移植細胞は磁石留置場所の直下・近傍に一致して生着したことを発光シグナルにより確認した。モニタリング後に発光部位およびその周辺組織を採取して、HE染色および免疫組織化学により生着組織の構成細胞の検討を行ったところ、明らかな腺管構造は認めなかったがヒトビメンチン陽性であり、ヒト由来組織であることを確認した。また、内膜細胞と子宮平滑筋細胞で構成される子宮腺筋症モデルの作成のため、レンチウイルスでGFPを導入した初代子宮平滑筋細胞の不死化を検討していたところ、長期生存可能で増殖能の極めて高い細胞集団が自然に発生したため、その細胞特性の解析を行うとともに、その集団の中から表面マーカーを用いて幹細胞様集団の単離を試みたが、幹細胞様集団の比率は極めて低いことが判明した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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