研究課題/領域番号 |
24390383
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90271220)
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研究分担者 |
竹下 俊行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60188175)
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10306136)
菊池 邦生 日本医科大学, 医学部, 講師 (70374676)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 産科学 / 妊娠 / 胎盤 / microRNA / 妊娠高血圧腎症 |
研究概要 |
1)PE胎盤の分子病態におけるmiRNAの役割解析:(1)19番染色体上にクラスターを形成している胎盤特異的miRNAの転写調節領域のDNAメチル化解析を行った。正常胎盤と妊娠高血圧腎症でメチル化の度合いに優位な差はなかったが、症例数の追加(増加)および症候による亜分類を考慮に入れた追加解析が必要である。(2)PE関連miRNAの機能解析:PE胎盤ではmiR-210およびmiR-518cの発現が亢進しているが、その病態への関与は不明であった。栄養膜細胞株(BeWo細胞)を用いて、miR-210およびmiR-518cの標的分子であるHSD17B1(E2合成酵素)をsiRNAでノックダウンさせるとE2の産生が低下し、さらに、このエストロゲン代謝経路の下流に存在する2-methoxyestradiol(2-ME; 2-MEはHIF-1αの強力な阻害因子であり、PEの発症に関与する重要因子)の産生が優位に低下することを見出した。 2)PE妊婦(母体血管内皮細胞)における胎盤由来miRNAが及ぼす影響解析:(1)血管内皮細胞において、胎盤特異的miRNAの標的mRNA候補としてGNG2とともに新たにJNK2が、標的分子であることを明らかにした。(2)In vivo解析用のPEモデルマウスの作製としてfull-length sFlt-1を導入したアデノウィルスベクターの精製を行い、マウスへの導入を検討した。しかし、アデノウィルスによる胎児致死が避けがたいことが推測され、レンチウィルスによるPEモデルマウスを作製することに変更し、レンチウィルスベクターの作製と予備実験を行った。 3)miRNAを基盤としたPE予知因子の開発:妊婦血液中の新たなPE関連miRNAおよびその標的分子のコホート研究のためのサンプル採取:前年度に引き続き、サンプル採取を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者・菊池が年度途中に退職したため。また、PEモデルマウスの作製にレンチウィルスベクターを用いた遺伝子導入に変更したため、in vivo解析が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
遅れはあるが着実に進展しているので、計画に沿って研究を進める予定である。
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