研究課題
1)PE妊婦(母体血管内皮細胞などの母体細胞)における胎盤由来miRNAが及ぼす影響解析:妊娠中(初期、中期、後期、産後)の母体末梢血NK細胞において、どのようなmiRNAが発現しているのかを明らかにするため、網羅的miRNAおよび遺伝子解析を行った。アレイ解析から、妊娠期間中の末梢血NK細胞は胎盤から放出された胎盤由来である第19番染色体上のmiRNA(C19MC miRNA)を取り込み、分娩後は細胞内からクリアランスされることを明らかにした。さらに、妊娠初期と比較して後期末梢血NK細胞において69種類のNK細胞機能関連遺伝子(KIR遺伝子など)の有意な変動を認めた。In silico解析により、妊娠後期pNK細胞において、9種類の発現低下したNK細胞機能関連遺伝子の3'-UTRに、結合部位を持つ12種類の発現上昇miRNAを見出した。発現上昇した12種類のmiRNAの中にはC19MC miRNAであるmiR-512-3pが含まれており、KIR遺伝子であるKIR2DS4が標的遺伝子候補であった。バイオインフォマティクス解析から、妊娠後期末梢血NK細胞の細胞障害性が活性化する方向に、miRNAを介して遺伝子の発現が制御されている可能性が示唆された。さらに、妊娠初期NK細胞におけるmiRNAの遺伝子発現制御の仕組みを解析するために、妊娠初期NK細胞のmiRNAおよび遺伝子発現の網羅的比較解析行った(投稿準備中)。2)miRNAを基盤としたPE予知因子の開発:妊婦血液中の新たなPE関連miRNAおよびその標的分子のコホート研究のためのサンプル採取を行うとともに、血漿miRNAのシーケンス解析のための、予備解析を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件)
Int J Mol Med
巻: 35 ページ: 1511-1524
10.3892/ijmm.2015.2157
巻: 35 ページ: 1273-1289
10.3892/ijmm.2015.2141
Hypertens Pregnancy
巻: 34 ページ: 443-455
産科と婦人科
巻: 82 ページ: 1011-1016
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
巻: 22 ページ: 53-58
J Chem Biol
巻: 8 ページ: 129-142
10.1007/s12154-015-0145-1