研究課題
1)分子腫瘍学的・EBウイルス学的解析a)マイクロRNAの発現解析: 本疾患細胞株および腫瘍組織に高発現しているEBウイルスmicroRNA BART22が癌抑制遺伝子であるPDCD4の発現を抑制的に制御することで、抗アポトーシスに作用していることが判明した。現在、結果を整理し論文作成中である。さらに、現在、患者血清中のEBウイルスmicroRNAの発現解析を進めている。b)プロテインアレイによるケモカイン発現解析:本疾患細胞株および患者血清にCCL17、CCL22が高発現している事を見出した。またCCL17、CCL22の受容体であるCCR4が本疾患細胞および腫瘍組織において発現している事を確認した。さらに抗CCR4抗体を用いたcytotoxic assayの結果、抗CCR4抗体が本疾患細胞に対してADCC活性を有する事を明らかにした。本年この結果をCancer Immunology, Immunotherapy誌に報告した。f)LFA-1/ICAM-1の発現、機能解析:これまでに本腫瘍細胞にICAM1 とLFA-1 の両者が発現し、その相互作用により細胞増殖が亢進することを見いだし、一昨年にExperimental Hematology誌にその成果を報告してきた。今回本疾患細胞株におけるLMP1とICAM-1の関係性を検討し、siRNAを用いてLMP1をノックダウンした株において細胞表面のICAM-1発現が低下し、可溶性ICAM-1の分泌が減少することを明らかにした。3)臨床応用を視野に入れたEBウイルス標的治療の開発a)浅側頭動脈動注化学・放射線同時併用療法の臨床的有用性の検討:現在までに限局期鼻性NK/T細胞リンパ腫12例において行い、全症例において完全寛解し再発は認められていない。現在この結果は論文投稿中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cancer Immunology, Immunotherapy
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DOI 10.1007/s00262-015-1675-7