研究課題/領域番号 |
24390388
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
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研究分担者 |
土井 清司 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00379380)
勝沼 紗矢香 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80457043)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 嗅神経細胞 / NGF / bFGF / IGF / BDNF / nectin |
研究概要 |
1.神経栄養因子の局所投与による嗅上皮再生についての研究 1)マウスの嗅覚を評価する行動実験としてBuried Food Test のプロとコールを確立した。2)マウス鼻腔内投与において、神経栄養因子をより持続的に局所に作用させるため、Hydrogel を用いたDDSによる投与方法のプロとコールを確立した。3)メチマゾール投与によるマウス嗅上皮再生モデルを用い、上記のDDSシステムを用いて①生食を点鼻した群 ②bFGFを点鼻した群 ③bFGF、NGF、IGF-I、BDNFを点鼻した群で、嗅覚行動ならびに免疫組織学的により嗅覚を評価した。まだ、検体数は十分ではないが、メチマゾール投与後15日時点では、行動実験においても形態学的にも4種類のサイトカインを投与した群で嗅覚の再生が最も促進していると考えられた。 2.嗅上皮発生・再生の分子機構に関する研究 1)共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察により、嗅上皮の再生過程において、嗅神経細胞の樹状突起は互いに接触しないようにモザイク状に配列されるように移動していくことを発見した。2)細胞接着因子nectin familyのノックアウト・マウスでは、このようなモザイク状の配列が乱れることが解った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
嗅神経細胞の再生に関する研究では、実験プロトコールを確立することができ、各種神経栄養因子の組み合せを投与することにより、嗅神経細胞の再生が促進される可能性を示すことができた。嗅上皮の発生と再生に関する研究では、nectin familyが上皮表層の嗅神経細胞軸索の配列に重要な役割と担っていることを示すことができた。当初の予定どおり実験は遂行され、予想した結果が得られるつつある。
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今後の研究の推進方策 |
1.神経栄養因子の局所投与による嗅上皮再生についての研究 1)メチマゾール投与によるマウス嗅上皮再生モデルを用い、Hydorogelを用いたDDSシステムにより、①bFGF、NGF、IGF-I、BDNFを点鼻した群をコントロール群として、4剤のうちから1剤を除いた4種類の3剤投与群との比較で、嗅覚行動ならびに免疫組織学的により嗅覚を評価する。これにより4剤のうち、いずれの薬剤がキードラッグであるかを解明する。 2.嗅上皮発生・再生の分子機構に関する研究 1)マウス嗅上皮のexplantの観察により、嗅上皮の発生過程における構造のメカニズムを解明する。 2)嗅神経細胞に特異的に細胞接着因子の発現を押さえるマウスを作成し、細胞接着因子の嗅上皮の立体構造構築に果たす役割を検討する
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