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2012 年度 実績報告書

超磁歪素子を用いた次世代埋め込み型骨導補聴器の開発とその臨床評価

研究課題

研究課題/領域番号 24390389
研究機関愛媛大学

研究代表者

暁 清文  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00108383)

研究分担者 羽藤 直人  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60284410)
白馬 伸洋  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70304623)
岡田 昌浩  愛媛大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20512130)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード超磁歪素子 / BAHA / 骨導聴覚 / 全埋込み型人工中耳 / チタン製骨導端子 / Bonebridge / プラグ接続 / 騒音下語音聴取
研究概要

本研究の目的は、「超磁歪素子を用いた埋め込み型骨導補聴器」の開発をめざすプロジェクトの一環として、超磁歪素子による骨導聴覚の評価を行うことである。超磁歪素子は、高速反応性、広域周波数応答、低電圧駆動、大出力といった特徴を持つ金属であり、人工中耳で使用されている圧電素子の約1000倍の磁歪性能を有している。したがってこれが実現すれば、埋め込み型骨導補聴器の性能が著しく向上し、補聴器が使用できない両側外耳道閉鎖症など高度伝音難聴患者への普及が期待できる。我々はすでに試作器を作成し、屍体頭蓋骨を用いた性能評価を終えている。今回、BAHA装用者を被検者として、埋め込まれたチタン製骨導端子に超磁歪素子のプラグを装着し、骨導刺激で音を聞かせ、BAHAと比較することで超磁歪素子の性能を評価した。本研究は患者を対象とするため、あらかじめ本院の臨床研究倫理委員会に申請を行い、承認を得ておく必要があった。当初予定したよりも承認が遅れ、平成25年3月15日に1例目の臨床試験を実施した。この際、準備したプラグにわずかなガタがあったため骨導刺激がうまく伝わらず、検者が手で支えて音を聞かせた。その結果、超磁歪素子による骨導聴覚の音質はほぼBAHAと同等であることを確認した。現在、プラグの形状を再調整しているところである。この装置は生体内に埋め込んで使用するため、アンプ、音声処理装置などの機器を用意する必要がある。我々はMede1社と交渉し、開発中の全埋め込み型骨堂補聴器「Bonebridge」に超磁歪素子を組み込むこと、アンプ、音声処理装置の提供を受けることの了承を取り付けた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

この研究はBAHAの埋込みが行われている患者を対象とした臨床研究であるため、あらかじめ学内の倫理委員会の承認が必要であった。課題採択の知らせを受け、早々に申請したが、承認されるまでに想定外の時間が掛かり、研究の開始が遅れた。また患者の都合もあり実際に臨床研究が行えたのは平成25年3月になってからであった。この際、用意した金具の接合部(プラグ)に緩みがみつかり、再度、金具の調整を依頼しているところである。
2例目の臨床試験は平成25年4月に実施する予定である。

今後の研究の推進方策

超磁歪素子による骨導聴覚の研究はBAHAとの接合用金具を再発注した段階にあり、これらが揃えば順当に研究は進められる予定である。またMedel社との交渉で「Bonebridge」に組み込むことも視野に入っており、これにより新たな音声処理装置やアンプ、マイクを開発する必要がなく、想定以上に早期に開発が進むと予想される。

次年度の研究費の使用計画

BAHAによる聞こえは補聴器に比べ非常に理解しやすいとされている。本研究では超磁歪素子による骨導聴覚とBA田による聴覚を比較し、両者に差異があるか否かを評価することを目的としている。通常の会話音の他に、騒音下での語音聴取能、音のギャップ検出能、周波数弁別能などを研究する。

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公開日: 2014-07-16  

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