研究課題/領域番号 |
24390401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60278687)
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研究分担者 |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
田崎 修 長崎大学, 大学病院, 教授 (90346221)
大西 光雄 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70597830)
松本 直也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50359808)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心肺停止患者 / 脳内酸素飽和 / 携帯型機器 / 救急隊 |
研究概要 |
平成24年度の研究計画は、(1)病院搬送前では、救急車内或いはドクターヘリ内での脳内酸素飽和度の実測を目指す、(2)心肺蘇生中では、胸骨圧迫心臓マッサージ中の脳循環変化を数値で客観的に評価する、(3)蘇生成功後では、頭蓋内圧、脳脊髄液中サイトカイン濃度、脳血流量、脳酸素代謝の経時的変化を明らかにする、であった。 (1)に関しては、携帯型測定機器の電気安全性試験、耐久試験、薬事認証等も無事終了し、実用新案登録も申請した。1号機は当院高度救命救急センターで2013年2月23日から救急初療室での測定を開始した。2号機は2013年2月25日に長崎大学病院救命救急センターでドクターカーに搬入して、現場での測定を開始した。3号機は航空法に抵触しないかどうかの検査に時間を要した為、2013年4月8日から順天堂大学医学部附属静岡病院救命救急センターでドクターヘリに搭載して実際の測定を開始する。4月中旬には、4号機を大阪市消防の救急車に搭載し、救急救命士による現場での脳内酸素飽和度測定を開始する。救急車内或いはドクターヘリ内に携帯型測定機器を搬入して脳内酸素飽和度を測定する計画は非常に順調に進行しており、平成25年度には症例数のさらなる集積を図る。 (2)に関しては、胸骨圧迫心臓マッサージ中の脳循環変化を数値で客観的に評価し、『自己心拍が再開しない症例に対しては、可及的早期に経皮的心肺補助装置の装着に踏み切るべきである』と結論を出して一流専門誌に投稿した(現在審査中)。また、2012年11月より国立病院機構大阪医療センター救命救急センターとの共同研究も開始した。2013年3月末現在で症例数も100例を越え、計画は非常に順調に進行している。 (3)に関しては、適合する症例数が非常に少ないうえに、インフォームドコンセントを得るのが非常に困難で、平成24年度は実現できていない。現在、対象となる症例を見直す作業を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、3つの研究計画のうち(1)と(2)は非常に順調に計画が進行し、上手く軌道に乗っている。(1)と(2)を成功させて、実際の救急現場で心肺停止患者の脳内酸素飽和度を測定できるようになれば、世界初であり画期的な出来事となる。研究成果を実際の治療面での成績改善に直接結びつけることができると我々は確信している。
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今後の研究の推進方策 |
研究(1)と(2)に関しては、このまま順調に計画を進行させることが出来、全く問題は無い。研究(3)に関しては、対象となる患者が搬送されてこなければ施行することが困難なので、計画の変更或いは中止を余儀なくされる場合もありうる。しかし、その分の経費、労力、時間を研究(1)と(2)に振り分けても足りないぐらい、研究(1)と(2)が順調に進行しているので、研究全体の大きな枠組み(予算、人員、等)には変更を要しない。
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