研究分担者 |
志馬 伸朗 広島大学, その他の研究科, 教授 (00260795)
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
柴崎 雅志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20405319)
成宮 博理 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20768105) [辞退]
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60347466)
橋本 壮志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (60515279)
徳平 夏子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (60597227)
中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239)
金子 猛 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90275066)
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研究実績の概要 |
本研究は集中治療の分野で未だに死亡率が高くその病態の解明と治療法の確立が喫緊の課題とされている急性呼吸窮迫症候群(Acute respiratory distress syndrome, 以下ARDS)の本態である急性肺損傷としばしばその病態に付随する急性腎傷害の相互依存性について検討することを目的とした。特に我々は肺および腎の双方に影響すると考えられるHO-1(Heme Oxugenase-1, 以下HO-1)の関与に着目して研究を進めてきた。臨床面においてはICU入室中にARDSを発症した患者を対象として、その血清をARDS発症当日から14日まで連続して採取して、HO-1を含む種々のパラメーターに着目して検討を加えたところ、重症患者ほどHO-1の血中濃度は有意に高値を示し、また尿量も相関して低値を示すことが判明した。すなわちHO-1の高値はARDSにおける予後不良因子の一つであり酸化ストレスの要因であることが示された。研究面では緑膿菌を用いた敗血症マウスモデルにおいてanti-PcrV polyclonal IgG投与が肺および全身臓器に対して防御的に作用することを示した。さらにマウスを用いた腎結紮モデルなど腎障害モデルから肺損傷を惹起するモデルの作成を検討したがこちらについては有意な結果は現時点で得られていない。その他のバイオマーカとしてAngiopoietin 2 (Ang2) やsoluble receptor for advanced glycation end products (sRAGE)についても候補として現在も検討中であり今後も引き続き研究を行っていく予定である。
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