研究課題
平成27年度では、26年度から進めてきたaklotho-/-マウス、および、kl/klマウス(aklotho遺伝子の変異が入り、転写活性が著しく低下したマウス)における骨基質の変化、ならびに、aklothoやaklothoと結合するFGFR1c、さらに、そのリガンドであるFGF23の発現を解析した。その結果、平成26年度では見出せなかったaklotho-/-マウスとkl/klマウスの低リン・低カルシウム餌飼育に対する違いを組織化学的に見出している。含有されるリン・カルシウム濃度をさらに低下させた餌を与えた場合、aklotho-/-マウスでは骨基質における過剰なDMP-1産生、また、基質石灰化異常を改善することはできなかったが、kl/klマウスでは、一部、DMP1産生、骨組織の正常化などを誘導した。さらに、kl/klマウスの腎臓において、FGFR1cの発現は野生型マウスと変わらなかったが、aklothoの発現が若干上昇していた。kl/klマウスだけが骨組織の改善を示した理由として、血中のリン・カルシウムの低下(正常化)ではなく、aklotho発現がkl/klマウスで上昇したためと考察している。また、平成26年度に課題としてあげられたアレンドロネート(ALN)による骨細胞の委縮については、ALN投与で確かに骨細胞が委縮傾向を示すこと、しかし、FGF23/klotho軸には影響が無いことを組織化学的に確認している。さらに、kl/klマウスの血管石灰化に伴う骨基質が祐度されること、また、そこには骨細胞も存在し、FGF23を産生することも明らかにしている。今回の解析を行うにあたり、詳細なデータが求められることから、FIB-SEMおよび構造化照明顕微鏡法(SIM)といった新しい解析方法を導入できたことも技術的な成果と考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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