研究課題/領域番号 |
24390415
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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研究分担者 |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | CCN2 / CCN3 / FGFR2 / OPG / 軟骨 / トランスジェニックマウス / 半月板 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
(1)CCN2がFGFR2およびFGFR3に結合し、特にFGFR2に対する結合は強く、そのKd値は7.7nMであった。また、CCN2がCCN2自身およびCCN3と強く結合することを見いだした。前者の結合のKd値は1.17nM,後者の結合のKd値は1.95nMであった。さらに、WntアンタゴニストであるWif-1がCCN2と結合しその活性を阻害することを明らかにした。また、CCN2がRANKに結合し、RANK-RANKLシグナリングを促進することを見いだした。なお、そのKD値は95nMであった。さらに、CCN2がOsteoprotegerin(OPG)とも結合することを見いだした。 (2)CCN2のFGFR2への結合はCCN2のTSP-1モジュールに対する抗体で阻害されたので同モジュールを介するものであることが示唆された。また、CCN2のホモダイマーの形成にはTSP-1以外の3つのモジュールが関与し、CCN2とCCN3のヘテロダイマー形成にはIGFBPおよびVWCモジュールが関与していることを明らかにした。 (3)遺伝子改変マウス作成の前段階としてCCN2を軟骨で過剰発現するトランスジェニックマウスを作成し、内軟骨性骨化の促進により長管骨が伸長し、その結果マウスが大きくなることが判明した。 (4)内側半月板細胞において、メカニカルストレスがSmad-dependentにCCN2の発現を促進することを見いだした。また、流体ストレスによるアクチン重合により骨芽細胞分化とCCN2発現の促進がおこることを明らかにした。 (5)CCN2と特定の分子との結合を遮断する分子としてOPGを見いだした。上記の如くCCN2はOPGとも結合しそのKd値は24.5nMであった。さらに、上記のごとくCCN2のホモダイマー形成を阻害する分子として、一般にCCN2の作用を阻害することが知られているCCN3を見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた(1)については、ccN2の結合分子として、FGFR2,FGFR3,CCN2およびCCN3,wif-1,RANK,OPG等多数の分子を同定した。後ろの2分子以外については論文も出版した。(2)についても3分子について論文2報を発表した。(3)についてはCCN2全長を用いたトランスジェニックマウスの作成に成功し、論文を発表したので、次のステップであるCCN2遺伝子改変マウスの作成準備が整った。(4)については論文2報を発表した。 (5)についてはデコイ分子の設計を行う前に、特異的相互作用を遮断する分子を2種類見いだし、その内一つは論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、上記(1)と(5)の成果のうち論文として未だまとめていないものを早急に論文として発表する。次いで、研究計画調書記載の平成25年度研究実施計画に基づいて研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の成果を国際誌に論文として投稿し、受理されたものの、印刷物になるのに時間がかかるため、投稿料や別刷り代の支払が平成25年度にずれ込んだ論文が4報ある。これらの論文の投稿料や別刷り代の支払いのための経費と学会発表のための経費を平成25年度に繰り越した。なお、平成25年度の当初の交付予定額4,700,000円は、すべて、50万円以下の物品費、旅費、人件費・謝金、その他に用い、高額の備品を購入する予定はない。
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