研究課題
本研究の目的は,睡眠時無呼吸症候群患者と睡眠時ブラキシズム患者の睡眠時生体信号を測定し,睡眠時無呼吸症候群と睡眠時ブラキシズムの関連性とその関連を生じる機序を明らかにすることである.問診や臨床所見から閉塞型睡眠時無呼吸症候群と睡眠時ブラキシズムの併発が疑われた患者を対象として,睡眠時ブラキシズムの1時間当たりの咀嚼筋筋電図波形回数,睡眠時のブラキシズム以外のその他の筋電図波形回数,睡眠中途覚醒時の筋電図波形回数と,無呼吸低呼吸指数,覚醒指数,ボディーマスインデックス(BMI),性別,年齢の間の相関を検定したところ,ブラキシズム波形数と睡眠時無呼吸発作数に相関は見られなかったもののブラキシズム波形数と覚醒指数との間には相関がみられた.ブラキシズム以外の嚥下や体動などに伴うその他の睡眠時咀嚼筋活動の波形数は睡眠時無呼吸発作数と有意な相関が認められた.これらのことから,睡眠時のその他の筋活動には無呼吸低呼吸発作自体が関連しているものの,睡眠時ブラキシズム波形の発現には,覚醒反応が関与している可能性が示唆された.また,何れの相関とも有意ではあったが,相関は弱かったことから睡眠時の咀嚼筋活動にはこれらの因子以外の要因も関与していることを考慮に入れなければならないことが示唆された.睡眠時ブラキシズムの睡眠時無呼吸とブラキシズムの両者を併発している患者群では、多くのブラキシズムイベントは睡眠時無呼吸発作の直後に発現していたが,この時間的関係については,睡眠時無呼吸に伴う覚醒反応を介して発現している可能性が考えられた.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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