研究分担者 |
小川 徹 東北大学, 大学病院, 講師 (50372321)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
船木 善仁 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (50261491)
池田 清宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50168126)
山川 優樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80324010)
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研究概要 |
バイオメカニカスと骨メカノバイオロジーの観点から,歯科インプラント臨床の科学的基盤を確立することを目的として,荷重下のインプラント周囲骨における骨代謝動態に関して,1.有限要素解析(FEA)によるインプラント周囲骨の応力分布,2.ポジトロンエミッション断層撮像(fine PET)によるインプラント周囲骨の骨代謝活性の両者を空間的に対応付け,その関連について分析する. また近年,申請者らは,ラット脛骨モデルにより低強度・高周波の振動刺激(Low Magnitude and High Frequency : LMIIF loading)のオッセオインテグレーションおよび周囲骨への有効性を確認した.そこで本研究では,従来まで行われてきた低周波力学的負荷に加え,高周波振動刺激を検討に加え,様々な負荷による骨のメカノバイオロジカルな反応の詳細を明らかにし,歯科インプラントに関する生体力学的,生物学的な根拠を得,臨床プロトコル策定の一助とすることを目的とした. インプラント埋入モデルの確立および部位特異性の検討:各種荷重負荷条件の下,finePET,μCTの撮像を行い生体内での反応の違いを検討した.CT image, PET imageからFusionデータを作成,周囲骨の骨代謝動態の解析(圧迫側-牽引側や皮質骨-海綿骨等)を行った. 材料:本実験系は,東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター動物時実験委員会に申請し認可されたものとする.実験動物としてWistar系雄性ラットを用いた. 方法:ラット脛骨に2本のインプラントフィクスチャー(オーソアンカー:φ1.2mm,長さ6.75mm)を10nm間隔で平行に植立した.持続的負荷群力学的負荷としてクローズドコイルスプリング(SENTALLOY)を応用し,2本のアバットメント間に水平かつ内方に力ベクトルが向くように設定した.このコイルの特徴は有効長である3mmから15mmの範囲ではほぼ一定の力が得られることであり,コイルスプリングの負荷力(1.0N,2.0N,4.0Nの3段階)により,3群(各群5匹ずつ15匹)に分類した.荷重開始時期はインプラント埋入直後,1日後,3日後,7日後とした. 撮像は,抜歯1,2,3,4週間後に行い,その後,組織・形態組織学的評価のためのサンプル作成を行った.
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今後の研究の推進方策 |
fine PETとFEAとの対照による骨代謝に影響を及ぼすFEA応力成分の分析:動物実験にて得られたPETおよびμCTデータを用い,まず,CTデータをもとにFEMモデルを作製,応力ヒストグラムを用いて,骨代謝に影響を及ぼしている応力成分(最大主応力,最小主応力,せん断応力,Mises応力)を分析.PET骨代謝データとFEA応力解析データを,3次元座標上で重ね合わせ,両者の空間的対応を定性的・定量的に分析する.
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