研究課題/領域番号 |
24390435
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
赤川 安正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00127599)
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研究分担者 |
久保 隆靖 広島大学, 大学病院, 講師 (60240876)
是竹 克紀 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (50346508)
土井 一矢 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (80444686)
森田 晃司 広島大学, 大学病院, 助教 (30555149)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体材料 / インプラント / 骨再生 |
研究概要 |
平成25年度は機能性インテリジェント複合体の有用性の検討のため2つの実験課題を遂行した.実験課題①:ラビットの左右大腿骨中央部に円柱状骨窩(直径 6 mm, 深さ 7 mm)を1個ずつ形成,各インプラント複合材(bFGF+ポリリン酸結合アパタイト・インプラント複合体(test),アパタイト・インプラント複合体(control)を左右ランダムに埋入した.埋入8週および12週後に各インプラント体のISQ値を測定,インプラントを含む骨組織ブロックを採取した.骨再生状態の組織学的観察,骨接触率を測定し組織形態計測学的に検討した.他のブロックではインプラント体を逆トルクで回転させる引き抜き試験を行った.ISQ値は両群で60を超え,testがcontrolに対して高い値を示したものの,有意差は認められなかった.一方,骨接触率および逆トルク値の値はtest(28.6・27.7)がcontrol(22.6・17.7)に対して優位に高い値を示した.組織所見では母床骨からアパタイトに連続する新生骨がインプラント界面まで達し,オッセオインテグレーションが獲得されていた.これらの結果よりbFGFおよびポリリン酸を応用することで早期の複合体内でのインプラント支持が獲得されることが明らかとなった. 実験課題②:イヌ(5頭)の左右側無歯顎部に,複合インプラント体(test),インプラント体のみ(positive control)を埋入した.5カ月後,上部構造をそれぞれ装着し,固形食を5カ月間摂取させ,間歇的機能負荷を与えた.機能負荷開始5カ月後に,インプラントを含む骨組織ブロックを採取した後.非脱灰研磨標本を作製した.結果においてtestのISQ値および骨接触率はpositive controlに対して有意差を認めず,機能付加条件下において既存骨に埋入されたインプラント体と同等のインプラント支持能を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
bFGF+ポリリン酸をインプラントアパタイトに応用し,in vivoにてその有用性が確認できた.また,顎骨においてのインプラント複合体の支持能が明らかにできているため,最終年度に行う実験課題に対して有益な知見を得ることができている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,bFGF+ポリリン酸を導入したアパタイト体にインプラントを複合化させた機能性インテリジェント複合体をイヌ顎骨におけるの荷重負荷条件下のオッセオインテグレーション獲得およびインプラント支持能を既存骨と比較を行い,インプラント支持および骨形成を同時にかつ確実に達成できる新規生体材料の開発を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度に行う予定であったイヌ顎骨実験の予定が,平成25年度実験課題の結果を反映させ行う予定であったが,この結果の検討に時間を要したため,動物購入が平成26年度初めに行うこととなり繰り越しが発生した. 平成25年度後期に購入予定であった実験動物を平成26年度初めに行うこととなっている.複合体埋入実験は当初の計画より4か月の遅れを認めているものの,埋入および観察期間を6か月と設定しいてるため当初の予定通り期間内での研究遂行を予定している.
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