研究課題/領域番号 |
24390438
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90186669)
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研究分担者 |
會田 英紀 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (10301011)
豊下 祥史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20399900)
川西 克弥 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (10438377)
河野 舞 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90586926)
額 諭史 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (40453261)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 咬合 / 咀嚼 / 糖代謝 / 糖尿病 / 生活習慣 |
研究概要 |
本年度は糖尿病モデルマウスの作製を行った。4週齢雄性C57BL/6Jマウスの24時間の給餌量を測定するため、代謝ケージを用いてモニターを行ったところ、一匹当たりの摂取量は、5.1gであった。この結果から、実験群のマウスに対し脂肪分60%の高脂肪飼料(5062kcal/kg)を用い、一日当たり25.8kcalを給餌させることとした。対照群として標準的な飼料(3590kcal/kg)で飼育する群を設定した。 体重は実験開始時に16.8gであり、対照群では14週後に27.0gに増加したのに対し、実験群は14週後に45.0gとなり有意な増加をした。次に随時血糖を測定したところ、実験開始時90mg/dlであった血糖値が、対照群は14週後に84.4mg/dlとほぼ変化がなかったのに対し、実験群は経時的に増加をし、14週後には163.4mg/dlと対照群に比較して有意に高い値を示した。さらに臓器重量を腸間膜脂肪、脾臓および肝臓について調べたところ、対照群ではそれぞれ0.20±0.10g、0.49±0.010g、1.1±0.33gであったのに対し、実験群では0.71±0.22g、1.5±0.094g、2.9±0.75gで有意に重かった。最後に実験開始後、180日目に経口糖負荷試験を行った。24時間絶食後の血糖値は対照群が51mg/dl、実験群が117mg/dlであり、2g/kgのブドウ糖を投与したところ、30分後には147.3mg/dl、148.9mg/dlとほぼ同様の値を示した。120分後に最後血糖値を測定したところ、対照群は86.1mg/dlまで低下したのに対し、実験群は120.6mg/dlと有意に高い値を示した。現在上記の実験条件にて飼育したマウスの血清サンプルを収集し、さらに詳細な分析を行っている。 糖尿病の診断について、日本糖尿病・肥満動物学会「実験動物での糖尿病診断ワーキンググループ」によれば、随時血糖では、300mg/dl以上を糖尿病状態と判定している施設が20%、200~250mg/dl以上を用いているのが26%、空腹時血糖を糖尿病の指標とした場合、その値は150mg/dl以上が8%、200mg/dl以上19%、300mg/dl以上6%となっており、今回の条件では血糖値の上昇がやや抑えられており、実験条件の変更を検討する必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していたよりも、マウスの血糖値が上昇しなかったため、実験条件を変えながら実験を遂行したため。
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今後の研究の推進方策 |
飼料成分や給餌方法などの実験条件にさらなる検討を加え、安定して糖尿モデルマウスを供給すべく、実験を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
糖尿モデルマウスの供給に遅れが生じたため、その先に行う分析機器の購入が遅れたため、当該助成金が生じている。来年度は糖尿病モデルマウスに咀嚼群と非咀嚼群を設定し、血清タンパクの違いを検討するため、その分析機器の購入に充当される予定である。
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