研究分担者 |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)
小牧 基浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401368)
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (40401351)
小野寺 光江 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50376703)
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研究概要 |
本研究は、ヒト抜去歯より歯根膜細胞を単離し、光リソグラフィー法で作製した基板上に培養することにより、間葉系幹細胞性を維持した培養を行い、無細胞化羊膜に転写し、下顎第一臼歯近心口蓋側に外科的欠損を作製した免疫不全ラットへ移植する新規再生医療法の確立である。本年度は、歯周組織欠損モデルの作成と再生効果の評価法の確立を行い、免疫不全ラットの下顎第一臼歯近心口蓋側に外科的欠損モデルの作製に成功した。次に用いるべき細胞としてヒト歯根膜由来間葉系幹細胞を選択し、その培養法および幹細胞性の検討を行った。その性質の確認は、Sox2、Oct3/4,Nanogなどのほか、間葉系幹細胞マーカーとしてはCD90,CD44,CD73,CD105,STRO-1,ベリサイトマーカーとしてはCD146,血管内皮細胞マーカーとしてはCD31,白血球系細胞マーカーとしてはCD45の発現を用いた。その結果、間葉系幹細胞マーカーは継代培養しても維持されているが、継代することにより、アクチンなど筋細胞マーカーの発現が認められるようになり、細胞の形態変化が認められるようになった。このことは、従来の間葉系幹細胞マーカーの多くは、間葉系細胞のマーカーであり、幹細胞マーカーとしては適していないことが明らかとなった。次に、増殖因子を添加したナノゲルの効果を簡易的にみる方法として、褥瘡モデルを作成し、その定量的アッセイ法の開発を行った。その結果、動物間の差がほとんど出ない、磁石による血流遮断・再開モデルを新たに開発することができた。以上のように、再生モデル、移植細胞の選択、ナノゲルの効果判定モデルなどすべて順調に行われたことより、今後、この系を用いた再生医療効果判定を行う。
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