研究課題/領域番号 |
24390444
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
野口 和行 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90218298)
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研究分担者 |
中村 利明 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60381183)
迫田 賢二 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70419654)
吉元 剛彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (60419653)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | DFAT / 歯周病 / 骨組織再生 / 歯周組織再生 / 細胞移植 / 再生療法 |
研究概要 |
本研究では新規の組織再生療法として、脂肪組織に由来する脱分化脂肪細胞(De-differentiated fat cells:DFAT)に着目し、DFAT を用いた細胞移植療法をベースとした次世代型歯周・顎骨再生療法の基盤確立を目指すことを目的としている。まず、硬組織形成能に関して、in vivoでのDFATの骨欠損における硬組織形成能については十分に検討されていないため, ラットDFAT(rDFAT)と乳酸・グリコール酸共重合体/ハイドロキシアパタイト複合体(PLGA/HA)を用いてラット頭蓋骨欠損における骨再生効果について検討した。その結果、術後8週でPLGA/HAの分解吸収は顕著に進んでいた。PLGA/HAを使用した3群は, コントロール群より有意に再生組織の厚みが大きかった。PLGA/HA+rDFAT(OD)群における骨欠損の閉鎖率(83.16±13.87 %)は全群間で最大でコントロール群(40.61±29.62%)より有意に高かった(P<.05)。骨欠損における新生骨面積はPLGA/HA群(42.10±9.16%)がPLGA/HA+rDFAT(21.35±13.49 %)およびコントロール(22.17±13.08 %)群より有意に大きい値を示した(P<.05)。本研究結果よりPLGA/HAをスキャホールドとして用いたrDFAT(OD)の細胞移植はラット頭蓋骨欠損における骨再生に効果的であることが示唆された。また、効率的な分化制御因子としてBMP-9とFK506の共刺激に着目し、BMP-2, BMP-9およびFK506存在下でrDFATsを培養したところ、BMP-9とFK506共刺激群は他群と比較して著しい骨関連遺伝子の発現、ALP活性および石灰化の亢進を認め、BMP-9とFK506共刺激により上昇したALP活性はnoggin存在下において有意な抑制効果は認められなかった。これらのことから、rDFATsの骨芽細胞様分化誘導因子としてBMP-9とFK506の共刺激が有用と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、ラットのDFATのみならず、GFP発現rDFATの分離・確立およびヒトからもDFATは分離済みで、in vitroでの検証を行っている。またrDFATのin vitroでの分化法についてもBMP-9とFK506による効率的な骨芽細胞様細胞への分化法を新規に確立し報告済みであるため。
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今後の研究の推進方策 |
①in vivoでのラット組織欠損へのDFAT移植実験(無刺激群 vs BMP-9+FK506刺激群) ②GFP発現DFATのin vivoでの①を用いたDFATの局在観察 ③効率的な骨芽細胞へのヒトDFATの分化制御法の確立
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