研究課題
初めに,象牙質の再生に必要となる担体の検討を行った。ヒト象牙質再生用の新規担体として,PLGAにハイドロキシアパタイトを配合して,気孔径の異なる担体を作製し,ヒト歯髄細胞を播種後,ヌードマウスに移植して,象牙質再生能を評価した。気孔径90%が気孔径80%と比較して,天然の象牙質の硬さに近い硬組織が再生することがわかった。次に,歯周組織再生のために必要となる細胞の検討を行った。計画書では歯根膜細胞の応用を考えていたが,歯根膜細胞より,歯肉の粘膜固有層から単離した間葉系幹細胞が歯根膜から単離した間葉系幹細胞と比較して,骨芽細胞への分化能が高いことが分かった。さらに,口腔内から採取できる脂肪組織から,脱分化脂肪細胞が単離・培養できることが分かってきた。そこで,脱分化脂肪細胞の骨芽細胞への分化能を検討したところ,容易に骨芽細胞に分化することが分かってきた。幹細胞の移植には,多くの幹細胞の数が必要となる。したがって,幹細胞を未分化なまま増殖させることが困難であることから,組織から単離した際に,少しでも多くの幹細胞が取るための有利な条件の検討も重要となる。脱分化脂肪細胞から成熟脂肪細胞から非対称分裂にて現れる。したがって,はじめの脂肪組織から単離する成熟脂肪細胞の酵素条件を検討することで,同じ量の脂肪組織から多くの成熟脂肪細胞が取れることが,細胞移植医療においては,培養期間の短縮ができることからも,有利となる。しかしながら,成熟脂肪細胞の単離方法の詳細な検討は行われていなかった。そこで,成熟脂肪細胞の単離時のコラゲナーゼ濃度の検討したところ,従来報告されていた濃度より効果的な濃度があることを見出した。さらに,その濃度で単離後に現れる脱分化脂肪細胞は,細胞増殖能が高いこともわかってきた。さらに,脱分化脂肪細胞を歯周組織の欠損部に移植すると歯周組織の再生も促進することが明らかになった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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