研究課題/領域番号 |
24390452
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阪井 丘芳 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90379082)
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研究分担者 |
野原 幹司 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (20346167)
福本 恵美子 東北大学, 大学病院, 助教 (10264251)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 唾液腺 |
研究概要 |
1.唾液腺の分枝部位に発現する遺伝子のスクリーニング 平成19~20年度:基盤研究B「再生医療をめざした唾液腺分枝形態形成機構の解析」で得られた遺伝子データベースをもとに研究を開始した。唾液腺分枝形態形成機構1を解明するために、マウス胎仔の唾液腺上皮のcleft(分枝部)とbud(非分枝部)に特異的に発現する遺伝子を連続的遺伝子発現解析法:SAGE(Serial Analysis of Gene Expression)法で網羅的に同定しており、この遺伝子データベースを有効に活用する。 作製したT7-SAGEライブラリーのcleftとbudを対比してcleftに強く発現する遺伝子をリストアップしている。実際に臨床応用をめざすためには、詳細な機能を明らかにする必要がある。遺伝子ライブラリー中のから分枝形態形成に重要な遺伝子を見いだすために、機能を推測する。フリーのウェブサイトであるPROSITE(http://prosite.expasy.org/)を用いてタンパク質構造を推測し、特徴的な機能ドメインを有する遺伝子を選択し始めている。 2.cleft上皮に特異的に発現する遺伝子の発現量確認 リストアップしたcleft上皮に特異的に発現する遺伝子を、RT-PCR法で発現を確認し始めている。中でも特徴的な機能ドメインを有する遺伝子に関しては、SAGEのdataを確認しながら、RT-PCR法だけでなく、定量的real-time PCR法で、cleftとbudに発現する遺伝子の発現量を比較検討している。実際に、以前発見したフィプロネクチンやBtbd7はcleftに強く発現しており、データベースと定量的rea1-time PCR法の値は相関していた。平成25年度には、遺伝子の局在を解析するため、in situ hybridization用のプローブや免疫染色のための抗体の情報を確認しながら、候補遺伝子のデータを整理し始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベースの中から、cleftに局在する遺伝子の中で特徴的に発現する遺伝子を見出している。 網羅的に候補を絞りながら、興味深いドメインを有する遺伝子がcleftに局在することを見出し、in situ hybridizationを始めつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
cleft上皮に特異的に発現する遺伝子の発現分布確認、in situ hybridizationを用いてmRNAレベルの発現分布、あるいは、既知の遺伝子であれば、既存する抗体を使用し免疫染色法を用いて、発現分布を確認する。cleft形成に関わる領域に発現しているかを検討する。発現量が低い場合は、シグナル増幅システムを用いて、発現分布を調る。器官培養を用いたRNA干渉(siRNA, small interfering RNA)法による阻害実験にて機能解析を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
器官培養を用いたRNA干渉(siRNA, small interfering RNA)法による阻害実験にて機能解析を進めるため、タイムラプスシステムの導入が適切と考えた。そのため、助成金の支出を伴うことになった。
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