研究課題
唾液腺分枝形態形成機構を解明するために、マウス胎仔の唾液腺上皮のcleft (分枝部) とbud (非分枝部)に特異的に発現する遺伝子をSAGE 法で網羅的に同定し、cleft に強く発現する遺伝子をリストアップした。遺伝子ライブラリーの中から分枝形態形成に重要な遺伝子を見いだすために、機能を推測している。さらに、PROSITEを用いてタンパク質構造を推測し、特徴的な機能ドメインを有する遺伝子を選択している。リストアップしたcleft上皮に特異的に発現する遺伝子を、RT-PCR法で発現を確認している。中でも特徴的な機能ドメインを有する遺伝子に関しては、SAGEのdataを確認しながら、RT-PCR法だけでなく、定量的real-time PCR法で、cleftとbudに発現する遺伝子の発現比を正確に比較検討している。in situ hybridizationを用いてmRNAレベルの発現分布、あるいは、既知の遺伝子であれば、既存する抗体を使用し免疫染色法を用いて、発現分布を確認する。cleft形成に関わる領域に発現しているかを検討している。発現量が低い場合は、シグナル増幅システムを用いて、発現分布を調べている。T7-SAGE法、RT-PCR法、in situ hybridization法あるいは免疫染色法にてその遺伝子がcleftに特異的に高く発現することが確証された場合は、siRNAで阻害実験を行い、分枝を実際に制御しているかを検討始めている。
2: おおむね順調に進展している
データベースの中から、cleftに局在する遺伝子の中で特徴的に発現する遺伝子を見出している。網羅的に候補を絞りながら、興味深いドメインを有する遺伝子がcleftに局在することを見出し、in situ hybridizationを行ったところ、複数の特徴的な遺伝子がcleftに発現していることが確認された。現在、siRNAを用いた機能解析を行い、データの蓄積を図っている。
cleft上皮に特異的に発現する遺伝子の発現分布確認を行う。in situ hybridizationを用いてmRNAレベルの発現分布、あるいは、既知の遺伝子であれば、既存する抗体を使用し免疫染色法を用いて、発現分布を確認する。cleft形成に関わる領域に発現しているかを検討する。発現量が低い場合は、シグナル増幅システムを用いて、発現分布を調べる。 器官培養を用いたRNA干渉 (siRNA)法による阻害実験にて機能解析を開始しており、最終的には機能評価を推進したいと考えている。
研究計画はおおむね順調であるが、遺伝子探索に時間と労力を要しており、遺伝子発現分布を研究する準備に時間と研究費を費やさなかった。次年度では、発現分布解析と遺伝子機能解析を中心に行うため、前年度の未使用分の予算を活用する予定である。cleft上皮に特異的に発現する遺伝子の発現分布確認、in situ hybridizationを用いてmRNAレベルの発現分布、あるいは、既知の遺伝子であれば、既存する抗体を使用し免疫染色法を用いて、発現分布を確認する。cleft形成に関わる領域に発現しているかを検討する。発現量が低い場合は、シグナル増幅システムを用いて、発現分布を調べる。 器官培養を用いたRNA干渉 (siRNA, small interfering RNA)法による阻害実験にて機能解析を行う。
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