研究課題
本年度までに、OSCCの幹細胞を標的とした診断・治療法の確立を目指して、CD133陽性細胞(CD133(+))及びSide population細胞群(Sp)の細胞特性解析を無血清培養系を用いて行い、CD133(+)はsphereを形成するが、CD133(-)は形成出来ないこと、Spは少ない細胞数でヌードマウスでの造腫瘍性を有するがmain population細胞は腫瘍性を持たないことを明らかにしてきた。本年度においては、体細胞では全く発現せず、ES/iPSCsなどの未分化細胞に共通して発現する糖鎖構造を認識するレクチンrBC2LCNのOSCC幹細胞マーカーとしての有用性について検討した。【材料および方法】OSCC細胞株として本研究室で樹立したHo-1-N-1、Ho-1-u-1を用い、各マーカー陽性細胞を用いた検討は、DMEM/F12 培地(DF)に insulin、transferrin、などの6因子を加えたDF6F無血清培地を用いた。各マーカー陽性細胞率はflow cytometry法を用いて検討し、各陽性/陰性細胞はcell sortingあるいはmagnetic cell sortingで分離しmonolayerでの増殖能及びsphere形成能を評価した。【結果】CD133(+)、rBC2LCN陽性、Sp細胞の陽性率はいずれの細胞株でも、0.5%、2%,、1%程度の存在率を示した。これら陽性細胞は早期に大きなサイズのsphereを形成した。またCD133(+)、SP細胞とrBC2LCN陽性細胞間に完全なオーバーラップは認めなかった。【結論】rBC2LCNは、これまで明らかにした口腔扁平上皮癌細胞の癌幹細胞マーカーであるCD133陽性細胞およびSp細胞とは異なる機序で機能する新規癌幹細胞マーカーとして有用である可能性が考えられた.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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