研究課題/領域番号 |
24390460
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 亜矢 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40295085)
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研究分担者 |
中村 卓史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90585324)
岩本 勉 東北大学, 大学病院, 講師 (90346916)
齋藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
阪井 丘芳 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90379082)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 再生医療 / 細胞間結合 / 歯髄幹細胞 / ギャップ結合 / コネキシン43 |
研究概要 |
歯および唾液腺におけるギャップジャンクション分子の発現と、その機能を明らかにすることを目的に研究を進めた。唾液腺の発生段階におけるギャップジャンクション分子コネキシン43の発現を免疫組織学的に検討した結果、唾液腺胚発生の初期段階から発現を認め、上皮細胞に限局した発現を示した。分岐形成が行なわれる発生後期においては、導管での発現は認められず、腺房細胞での発現を認めた。この時期においても唾液腺間葉組織での発現は認められなかった。次にコネキシン43欠損マウスにおける唾液腺発生について検討した結果、遺伝子欠損マウスにおいては、野生型と比較して40%程度唾液腺重量が低下していた。また、欠損マウス由来唾液腺器官培養においては、著しい分岐形成阻害が認められた。次にコネキシン43の機能阻害ペプチドを作製する目的で、これまで報告されているコネキシン43の立体構造解析のデータを参考に、6量体形成に関わる領域に対するペプチドを作製した。本ペプチドは添加することで、コネクソン形成を阻害し、コネキシン43の機能阻害を起こすことを明らかにした。そこで、野生型マウス由来唾液腺器官培養に、コネキシン43の機能阻害ペプチドを添加したところ、遺伝子欠損マウスと同様の結果が得られた。以上の結果から、コネキシン43は、唾液腺の発生、特に分岐形成に重要な分子であり、またコネキシン43の部分ペプチドを応用することで、コネキシンのギャップジャンクション機能を制御できることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、コネキシン43が唾液腺の発生過程において、上皮細胞特異的に発現し、その遺伝子欠損マウスでは唾液腺の分岐形成が阻害されること、さらにコネキシン43の機能阻害ペプチドを用いた解析からも、阻害ペプチドの添加により唾液腺の腺房数の減少を確認した。この事から、コネキシン43が唾液腺の分岐形成に重要な役割を果たしている事が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成24年度の研究結果をもとに、唾液腺の分岐形成過程におけるギャップ結合分子の役割を明らかにする目的で、特にそのなかでもコネキシン43の分子機能に焦点をあてて解析を進める。また、唾液腺発生過程における他のギャップジャンクション分子の発現について、包括的な遺伝子発現スクリーニングを行う、これら分子の時空間的発現パターンについて明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の使用額は、今年度の研究を効率的に推進した事に伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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