研究課題
基盤研究(B)
1:標的物作製(セメント質片、象牙質片)平成24年度は、象牙質片とセメント質片を人およびビーグル犬の抜去歯牙から作製し、抜歯した歯は、厚さ3mm程度の輪切りとしセメント質を除去したものを象牙質片とし、歯牙に長軸方向に切り出し、セメント質面が出るようにしたものをセメント質片とし、表面処理、滅菌後、保管し実験に使用した。実際の臨床を考えた場合、歯周病に罹患している歯牙は多くの場合セメント質が露出しているが、歯周外科治療後には象牙質の露出が多くの場合で予想される。その為両硬組織を検討対照にすることは、臨床的応用に向けても意義深いし、重要な研究である。2:セメント質・象牙質融合ペプチドを創製ウイルスゲノムDNAを改変することで作られた、N末端に7あるいは12残基長のランダムなペプチド配列が融合したペプチド・ファージ・ライブラリーを用いて、作製した標的物(象牙質・セメント質)に特異的に結合するアミノ酸配列を提示するファージを単離・回収した。ペプチドのアミノ酸配列の情報は、DNA情報としてファージゲノムに保存されており、ファージゲノムからペプチドのアミノ酸配列をシーケンスすることができ、このアミノ酸配列を用い象牙質およびセメント質結合ペプチドを作製した。これからモチーフ組み合わせ人工タンパク質創製技術であるMolCraftを用い、ファージディスプレイ法で創製された、象牙質結合およびセメント質結合ペプチドと既知の増殖因子や分化成長因子を融合させ目的とするペプチドを持つ人工タンパク質を創製する。これができれば、歯周組織の新治療法となることが予想される。
2: おおむね順調に進展している
融合ペプチドが多数ある中で、ベストのものの抽出に手間取っている。
平成24年度は概ね順調に進展したが、最終的にベストの物の抽出を行い、機能性の人工タンパク創製に向け研究を続ける。
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J Biomed Mater Res Part A.
巻: (in press)
10.1002/jbmm.34765
Optics express
巻: 20 ページ: 24856-24863
10.1364/OE.20.024856