研究課題/領域番号 |
24390473
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢野 理香 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50250519)
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研究分担者 |
長谷山 美紀 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (00218463)
渡辺 玲奈 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (10431313)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 看護技術 / 手浴 / 脳血管障害患者 / 成果モデル / 効果検証 / RCT / 自然言語処理 |
研究概要 |
本研究は、「回復期脳血管障害患者に手の動きの自覚と語りを促す手浴ケアの成果モデル」の臨床的効果を無作為化比較試験により検証し、臨床応用が可能なモデルとして確立することを目的としている。 1.平成25年度は、平成24年度から継続している手浴ケアの成果モデルの臨床的効果検証を無作為化比較試験により実施し、その結果について分析を行った。これまでの研究成果から開発された「回復期脳血管障害患者に手の動きの自覚と語りを促す手浴ケアの成果モデル」と同様に、手浴は、脳血管障害患者に回復への揺らぎがある中で、対象者が自分の手の動きの改善を自覚し、自分を語り、ポジジティブな語りに変化し、満足感・健康感が向上することが再確認できている。また、介入を実施する看護師自身にもポジティブな変容をもたらし、看護師が患者の強さを実感するという具体的な変化を糧として、ケアのプロセスを振り返り、次の実践につなげるという循環がみられた。そのことが、看護介入をより対象者の個別性にあったケアにつなげることに寄与するのではないかと考えられた。 2.成果モデルの効果を語りから分析するための「手浴ケア成果検証のためのソフトプログラム」開発に向けて、プログラムの設計を行い、予備分析を実施し、試案を作成した。現在、言語分析に使用する脳血管障害患者にかかわる辞書の見直しを実施している段階である。現在の試案について、分析速度の効率性および正確性をあげるためにも、データの再分析を実施し、改良を加える予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の計画では、無作為化比較試験による手浴の成果モデルの臨床的効果検証および対象者の語りを言語分析のためのソフトプログラムの試案をあげていたが、2点ともに着手し、進行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画を遂行する予定である。昨年度まで実施してきた手浴の成果モデルの検証を継続する。新たな測定指標として、また対象者への教育プログラムとしての発展も考慮し、手浴の介入前後の手の動きの変化を動作分析する方法を取り入れる予定である。 語りの分析ソフトプログラムに関しては、分析速度の改善のために、分析に必要な辞書の改良を検討し、ソフトプログラムの改良を加え、完成させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題で開発途中である、手浴ケア成果検証のためのソフトプログラムの改良に関して、どの点をどのように改良することが必要か分析が途中である。そのために、その分に要する経費が来年度の繰り越しとなっている。 1.ソフトプログラムの改善の必要な点に関して、外部委託し、改良を加える。 2.成果モデル検証における測定指標として、手の動きの動作分析が有効と判断されたことから、この動作分析に必要とされる動作分析ソフトプログラムを購入し、データ収集および分析を行う。 3.学会発表および論文投稿を行い、研究成果を公表し、臨床における普及を目指す。
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