研究課題/領域番号 |
24390478
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西田 直子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80153881)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80259431)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00321068)
室田 昌子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80610641)
鈴木 ひとみ 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (60462008)
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (10259434)
原田 清美 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (80712934)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 災害 / 車いす / 避難所 / 生活環境 / ユビキタスシステム |
研究概要 |
平成24年度に行った京都市中京区の32避難所の施設代表者の意識調査の結果を京都市教育委員会と中京区役所防災対策室に送付し,資料提供を行った.回答を得た28施設の中で施設防災や避難所の理解については「とてもできる」が27.6%,避難所で必要な援助については「理解があまりできない」が41.4%と高く,車いす利用者の必要な援助については「あまりできない」が50.0%,「まったくできない」が3.6%であった.平成24年度に行った避難所17カ所の施設の入口,点字ブロック,身障者トイレ,洋式トイレ,オストミー対応トイレ,エレベーターなどの現地調査について,評価項目およびバリアフリーの評価基準に従って調査した内容を整理し,施設ごとにホームページに掲載できるようにサイトを整理した. 避難所14ヶ所で車いす使用者6名が実際に走行したスロープの傾斜の平均値は4.1度で,長さの平均値は573.4 cmであった.筋電位の結果は,左僧帽筋の平均値でスロープ上り62%RVC,下り20%RVC,右僧帽筋では同79%RVC,31%RVC,左上腕三頭では同67%RVC,14%RVC,右上腕三頭筋では同57%RVC,8%RVCであった.スロープの傾斜角度と%RVCの相関係数は,左僧帽筋は0.248であった.スロープの上りでは筋負担も増大していた. 避難所周辺で車いす使用者が走行した際の筋負担は,勾配が大きいと左右の上腕二頭筋の負担が大きくなることがわかった.現在更なるデータ分析中である. 平成24年度に得られたデータを整理し,バイオメカニズム学会の第23回バイオメカニズムシンポジウムにおいて「車いす利用者の避難施設のスロープ移動の筋負担」,第54回社会医学会総会において「車椅子利用者にとっての避難所のバリアフリー環境の現状調 査」として発表した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に得られたデータを整理し,バイオメカニズム学会の第23回バイオメカニズムシンポジウムにおいて「車いす利用者の避難施設のスロープ移動の筋負担」,第54回社会医学会総会において「車椅子利用者にとっての避難所のバリアフリー環境の現状調査」として発表したことは,順調な経過である.しかし,路上の勾配による負担度などについては未発表であり,現在更なる分析中である. また平成24年度に行った避難所17カ所の施設の入口,点字ブロック,身障者トイレ,洋式トイレ,シャワールーム,エレベーター,内部通路などの現地調査について,評価項目およびバリアフリーレベルの評価基準に従って調査した内容を施設ごとにホームページ掲載できるように整理した. しかし,指定されている各避難所および施設への研究協力要請に必要な調整に時間を要し,ホームページ上のサイトとして情報提供までに至っていない.今後,京都市教育委員会や中京区役所の防災対策室との連携を強化し構築していくことが必要である.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に中京区内の避難所の情報を整理し,施設ごとに情報提供の内容について開示の確認をとる.各施設のバリア状況の避難所情報についてどのサイトに情報を開示できるか,各施設の了解を得る(6月~7月). 平成25年度に調査した,各避難所の車いす利用者におけるスロープの傾斜や段差による負担,路上の傾斜や勾配について筋負担の程度を筋電図,傾斜角度を関係づけ,発表を行う(8月).避難所のバリアフリーに関する情報サイトに関する調査は,車いす利用者の個人情報,情報開示された施設(体育館,教室,和室など),施設の入り口,点字ブロック,身障者トイレ,洋式トイレ,エレベーター,シャワールームなどについて情報の正確性,妥当性,清潔性,利便性,容易さなどを評価するための質問紙調査を作成する. その後,各避難所の施設長に検証調査の依頼文を送る了解を得る(7月~8月)各施設のバリア情報を得て,各施設にそのデータの妥当性を検証するために,そのホームページまたは携帯サイトにおける情報について検証調査を行う.各避難所のバリアフリー情報に関する調査は,各班につき車いす利用者(身体障害者,高齢者)2名,研究代表者1名,研究分担者2名,研究協力者2名を1グループとし,確認しながら行う(9月~11月).避難所バリアフリー情報に関する調査の集計を行い,情報の正確性,妥当性,清潔性,利便性,容易さなどの評価をもとに必要な情報提供の分析を行う(11月~12月).
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次年度の研究費の使用計画 |
(理由)平成24年度に行った避難所17カ所の施設の入口,点字ブロック,身障者トイレ,洋式トイレ,シャワールーム,エレベーター,内部通路などの内容を施設ごとにホームページ掲載できるように整理した.しかし,指定されている各避難所および施設への研究協力要請に必要な調整に時間を要し,ホームページ上のサイトとして情報提供までに至っていないため,その費用を使用しなかった. (使用計画)今後,京都市教育委員会や中京区役所の防災対策室との連携を強化し構築ための資金として活用する. 平成25年度に中京区内の避難所の情報を整理し,施設ごとに情報提供の内容について開示の確認をとる.各施設のバリア状況の避難所情報についてどのサイトに情報を開示できるか,各施設の了解を得る(6月~7月).各施設のバリア情報を得て,各施設にそのデータの妥当性を検証するために,そのホームページまたは携帯サイトにおける情報について検証調査を行う.各避難所のバリアフリー情報に関する調査は,各班につき車いす利用者(身体障害者,高齢者)2名,研究代表者1名,研究分担者2名,研究協力者2名を1グループとし,確認しながら行う(9月~11月).
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