研究課題/領域番号 |
24390481
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
田代 順子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (30134175)
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研究分担者 |
松谷 美和子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60103587)
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50222170)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ウェブアシスト学習 / 高度実践看護師 / 臨床判断 / リフレクション / メンタリング |
研究概要 |
本研究の目的は、「高度な実践を担う専門性の高い看護師(高度実践看護師(APN)」の"臨床判断力"(Clinical Judgment)を強化するために、これまで開発してきたe-log(プラクティスログ)を、実習・演習・課題研究を進める院生の"リフレクション"ログと教員の"メンタリング"記録を加え、Webによる臨床判断力強化サイクルを促進する学習プログラムを開発することである。 平成24年度は、第1に、APN教育の先進国(米国)、オレゴンヘルスサイエンス大学(OHSU)のAPNコースの教員の教育実践を視察し、メンタリングの現状と課題を調査した。併せて"臨床判断"教育の第一任者である、OHSUの学部長である、Dr.Tanner(他科研と協働)とDr.Lutzを招聘し、上級実践看護師教育の考え方(概念)を明らかにした。遠隔地での実習時の臨床判断の教育方法としては、学生用e-診療録を使用し、記録を基に、実習上のメンター、大学教員、そして院生とコミュニケーションをしているとのことであった。 第2に、メンタリングあるいは学習の中心領域である『臨床判断』についても、文献的に概念とメンタリングに関する『臨床判断』教育法に関して文献検討をするため、関連文献を収集し、現在、分析・執筆準備中である。 第3に、日本の高度実践看護師を目指す修士課程の院生の学習ニーズと指導者のメンタリングニーズを明らかにするために、上級実践コースの院生を対象とした面接調査を開始した。小児看護上級実践者終了生は、実習での困難だったことは、『医学・身体的アセスメント、特に、データからの分析と、子供の発達、生育、セルフケア能力等のアセスメントが難しく、時間がかかった』。『実習場は遠隔で、指導教授の指導が2週間毎であり、臨床判断力に関する指導が十分でなかったと考えていた。実習場の医師からの指導をもっと受けるべきであった。』とのことで、遠隔地での実習においても、常に、院生の臨床判断をモニターし、メンタリングの必要性はあると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上級実践看護師を目指す大学院生の学習ニーズ調査と教員の調査が遅れている。その理由は、上級実践者の実習時間が多く、加えて、遠隔地での実習であり、調査協力に答えてもらいにくいため、3月になった。加えて、日本での上級実践者教育の方向性が、特定看護師の議論から、特定医行為となり、教員への面接も方向性が見えないため、メンタリングに関する考えが定まらない状況であり、調査協力者を得ることに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
日本の上級実践教育を実施している大学院の教員・院生にも協力をお願いしつつ、日本の修士レベルの上級実践看護師教育の方向性を探索しつつ、必要な教育プログラム開発を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度、遅れた調査を次年度に計画し、今年度の未使用の助成金を使用し実施する。加えて、今年度明らかになった遠隔地での実習の困難を解消するために、次年度、実習用e-診療録の開発を早急に進める。
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