研究課題/領域番号 |
24390482
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小西 恵美子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員研究員 (70011054)
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研究分担者 |
八代 利香 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50305851)
山下 早苗 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40382444)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
鈴木 真理子 佐久大学, 看護学部, 助教 (10281255)
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 准教授 (10326100)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 倫理サポート / アクションリサーチ / 道徳的感受性 |
研究概要 |
1.基礎調査:(1)ケア倫理ラボ(ベルギー)を視察・受講した(12月4-8日)。ラボは、リサーチベース・多職種アプローチの方針で、研究者が常勤し、諸外国の医療者の協働利用に供されていた。我々は、ヨーロッパ諸国からの医療者に混じって生活しながら、ケアする者/される者の体験を研修した。患者のおかれた立場や気持ちは、論文を読んだり研究することからは知りえないものであり、ケア提供者の道徳的感性を、care givingとreceivingの体験をとおして育む重要性を学んだ。またこの体験は、ケアを受ける側にも、道徳感と節度が必要だと教えるものでもあった。看護職のみならず様々な背景を持つ人々の間で看護倫理が討議材料となっており、実学かつ応用学問としての看護倫理というテーマの普遍性を感じた。 また、ヨーロッパの倫理や教育の進展に触れ、米国に大きく依存してきた日本の看護教育のある意味でのバイアスについても考えさせられる研修であった。(2)国際看護倫理学会(10月3-8日、トルコ)に参加し、倫理専門家から倫理サポートの現状を聞き取った。そこでも、サポートは多職種アプローチが主流であることが分かった。(3)国内の倫理関係学会でサポート現状を聞き取り調査し、法律家等の多職種専門家が個々の事案に助言する倫理コンサルテーションを徐々に広げている状況であることがわかた。 2.アクションリサーチ:(1)看護師との倫理ワークショップを34回行い、倫理的能力を促進する手法を精錬した。(2)少数看護倫理委員会を支援・助言し、問題点の整理・助言を行った。(1)、(2)の成果は、雑誌「看護展望」2013年5月号の特集として発表したほか、2013年6月開催の日本看護倫理学会題6回大会の交流集会につなげる。(3)道徳的感受性尺度日本版の検討を継続し、質問項目・表現を修正・精選し、看護師への質問紙調査を実施、分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の研究計画を全て行ったことに加え、看護職者とのワークショップは、実践者側からの希望が増え実施は34回にのぼり、当初の予定を大きく超えた。このワークショップから、枠に囚われない対話を促すことが、問題状況の知覚・表出への最も適切なアプローチであることを見出しており、今後これをさらに検証していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究組織により、当初の研究計画書に沿って進める。
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