研究課題/領域番号 |
24390485
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
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研究分担者 |
平野 裕子(小原裕子) 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50294989)
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90176644)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済連携協定 / 外国人看護師 / 看護師国家試験 / 教育支援プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、経済連携協定(EPA)に基づき来日した外国人看護師候補者の看護師国家試験合格に向けた教育支援プログラムの開発を試みることである。 ベトナム人看護師候補者を対象とした看護師国家試験の模擬試験調査を実施した。第103回看護師国家試験(2014年2月実施分)をベトナム語に翻訳し、ベトナム看護協会の協力のもと、現地ベトナムで研修中の第2陣の候補者を対象として2014年8月に調査を実施した。合格基準に達している候補者はひとりもいなかった。出題問題の分野別の分析において、日本人の正答率と比して、最も得点割合が低かったのは、老年看護学であった。次いで、疾病の成り立ちと回復の促進、人体の構造と機能、在宅看護学の順に得点割合が低かった。それぞれの問題について、ベトナム人候補者と日本人の正答率の比較で差がみられたものについては分析を進めている。結果の解釈を行う際に、日本とベトナムの看護教育の違いや文化的背景など、考慮しなければならない点が多々あるために、ベトナム看護協会の職員をはじめ、現地ベトナムを代表する看護教育機関(ナムディン看護大学やハノイ医科大学など)の看護教員に協力を依頼し分析を行っている。この研究成果の一部については、2015年3月にベトナムのハノイで開催されたScientific Workshop on Vietnamese Nurses Prior Practice and Work in Japanにおいて発表した。詳細については引き続き分析を進めていく予定である。 看護師国家試験に合格した外国人看護師候補者およびその受け入れ機関の教育担当者へのインタビュー調査は、調査の問い合わせにおいて断られてしまうケースも少なくない。2015年3月には国家試験の合格発表があり、新たな合格者が現れたことから、根気強く調査を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年8月にベトナム人看護師候補者(現地で研修中の第2陣)を対象とした看護師国家試験の模擬試験調査を実施することができた。現在は詳細な分析を行っているところである。看護師国家試験に合格した外国人看護師候補者およびその受け入れ機関の教育担当者へのインタビュー調査は、調査の問い合わせにおいて断られてしまうケースも少なくないが最終年度の2015年度に行うこととしている。
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今後の研究の推進方策 |
看護師国家試験に合格した外国人看護師候補者およびその受け入れ機関の教育担当者へのインタビュー調査については、2015年3月に新たに国家試験に合格した外国人看護師を中心に調査を依頼し、根気強く調査を進めていく予定である。 看護師国家試験の模擬試験調査の結果については、詳細な分析結果が出来上がり次第、日本の外務省、厚生労働省、国際厚生事業団(JICWELS)、ベトナムの保健省、海外労働局(DOLAB)等に報告を行う予定である。 国際的な学術学会でも研修成果の発表を行い、最終的には研究論文としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ベトナム人看護師候補者を対象とした看護師国家試験の模擬試験調査は平成25年度に実施予定であったが、ベトナム現地関係機関との調整や外務省(南部アジア部)との調整に時間を要したために、実際には平成26年度に実施した。そのため平成25年度から平成26年度への繰越金が出てしまったために、今年度も次年度使用額が生じることとなってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度はこの次年度使用額も含めて計画的に予算執行する。平成27年度はこれまでの調査ではまだ足りていないデータの収集、得られた結果の分析および整理、EPAに関係する行政機関、看護協会などの関係機関に結果の還元を行いながら、学術学会での発表を予定している。
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