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2012 年度 実績報告書

筋萎縮予防訓練による高齢肥満者の身体機能と代謝病態の改善と看護介入モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24390488
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

新井 恵美  筑波大学, 医学医療系, 講師 (70178713)

研究分担者 川口 孝泰  筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
江口 清  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00213538)
正田 純一  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
宮本 俊和  筑波大学, 人間系, 教授 (40200208)
蕨 栄治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード生活習慣病 / 脂肪性肝疾患 / 高齢者 / ハイブリッド訓練 / 代謝機能
研究概要

肥満者では膝や股関節に多大な負担をかけるため,運動実践自体が困難な場合も多い.そこで,安全であり効率的な運動トレーニング方法の登場が待たれる.そこで今回は,高齢肥満者に対して6ヶ月間のハイブリッド訓練を施行し,その有用性について,骨格の筋量,筋力と脂肪化,体組成,脂質と糖代謝,肝機能障害,炎症マーカーの改善の観点より検討することを目的とした.ハイブリッド訓練とは,筋肉の自発的収縮と電気刺激による電気的収縮の混合運動による骨格筋訓練である.本学附属病院に外来通院するNAFLD息者のうち,3ヶ月間の生活指導により肝機能障害が改善しなかった高齢肥満者15名(年齢65士6.0,BMI27士2.9)を対象とした,両脚大腿部に電極を装着し,座位での屈曲伸農運動でハイブリッド訓練を行った.15回の屈曲伸展を1セットとし,両脚3セットずつを2回繰り返した.1回の訓練は約20分間で,週2回,6ヶ月間施行した.訓練開始前と6ヶ月後における大腿部伸筋および屈筋の筋力,^1H-MRSによる筋組成,体組成,血液生化学データの比較検討を行った.その結果,高齢肥満者におけるハイブリッド訓練は,訓練部位骨格筋の筋力増加と筋脂肪化の減少,体脂肪量の減少,肝機能障害の改善,肝線維化の指標であるNAFLD fibrosis scoreも改善を誘導した.これらの結果の背景には、介入前後において、TBARSの酸化ストレス、ファリチンの炎症マーカーが改善していることより考察して、骨格筋と同様に、肝における具所性脂肪の減少とそれに関連する酸化ストレスレベルの改善が生じている可能性が示唆される。インスリン抵抗性の変化も関与していると推測される.ハイブリッド訓練は高齢肥満者に対する新しい運動療法として有用であると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高齢肥満者に対するハイブリッド訓練により,訓練部位の骨格筋重の保持,筋脂肪化の改善,インスリン抵抗性の改善,肝機能障害の改善などの有用性が認められた.現在,本訓練の有用性について論文作成中である.

今後の研究の推進方策

本訓練による改善の背景には,介入前後において炎症マーカーが改善していることより考察して,代謝病態の改善に加えて,抗酸化ストレス応答の活性化が生じている可能性が示唆される.骨格筋運動による肥満病態の改善にかかわる詳細な機序について解明していく.

次年度の研究費の使用計画

動物実験を交えながら,骨格筋運動による肥満病態の改善にかかわる詳細な機序について解明していく.骨格筋由来の分泌蛋白について,探索研究に着手する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Deletion of Nrf2 leads to rapid progression of steatohepatitis2013

    • 著者名/発表者名
      Okada K, et al.
    • 雑誌名

      J Gastroenterol

    • DOI

      DOI10.1007/s00535-012-0659-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nrf2 inhibits hepatic iron accumulation and counteracts oxidalive2012

    • 著者名/発表者名
      Okada K, et al.
    • 雑誌名

      J Gastrcenteral

      巻: 47 ページ: 924-935

    • DOI

      DOl10.1007s00535.012-0552-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Amelioration of cisplatin-induced nephrotoxicity in Peroxiredoxin l2012

    • 著者名/発表者名
      Okada K, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Chemother Pharmacol

      巻: 71 ページ: 503-509

    • DOI

      DOI10.1007/s00280-012-2046-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 減量目的の運動療法が肥満者の肝病態に及ぼす影響について2012

    • 著者名/発表者名
      小野塚太郎
    • 学会等名
      日本体力医学会総会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [図書] Textbook of Traditional Japanese Medicine2012

    • 著者名/発表者名
      Shoda J
    • 総ページ数
      295-297
    • 出版者
      Inchinkoto, Clinical efficacy and pharmacology
  • [産業財産権] 肝内胆管がんの検出2012

    • 発明者名
      正田純一, 他
    • 権利者名
      筑波大学
    • 産業財産権番号
      10748464.4 (09-P20-02)
    • 出願年月日
      2012-04-01
    • 外国

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公開日: 2014-07-16  

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