研究課題/領域番号 |
24390490
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
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研究分担者 |
池添 冬芽 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10263146)
鈴木 みずえ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40283361)
谷口 好美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50280988)
浅川 康吉 群馬大学, 保健学研究科, 准教授 (60231875)
関井 愛紀子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60436772)
平松 知子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70228815)
亀ヶ谷 忠彦 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (90455949)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 転倒・転落予防 / 臨床判断 / コンピューターシミュレーションプログラム / 状況判断 / 看護管理 |
研究実績の概要 |
コンピューターシミュレーションプログラム:①転倒リスクの基本的学習トレーニングとしてタスクトレーニング、②臨床判断力を含め包括的に転倒予防を考察できる応用力を育成するトレーニングとして状況判断事例トレーニング、③臨床判断力育成に係る看護管理能力育成トレーニングを作成した。状況判断事例トレーニングは、②-1個々の学習者の学習進度・深度が学習の成果に係るため、学習者の学習状況に合わせて個別に学習できるフィードバックシステムをもつ方法と、②-2ディスカッションによる相互作用から派生する能動的気付きを増やすことをねらいとし、スーパーバイザーによるフィードバックを備えたグループ学習による方法の2種類を作成した。 臨床判断力育成において転倒予防センサー設置に関しては倫理的問題の状況を捉える必要があると分かったため、横断調査を実施した。調査対象者は看護師(経験年数11.8±8.6年)であり、配布数1,205・回収数1,105(91.7%)・有効回答数1,076(97.4%)であった。本横断調査において多数の項目間に有意差がみられたが主なものとして、患者の衣服の一部に接続しないタイプの転倒予防センサーと接続するセンサーとの比較では、転倒遭遇経験有無別において、「患者を安心させる」、「患者のしたい行動を支援する」において差がみられた。ケア提供者の立場では、「設置方法を工夫するとケアとして満足感がある」、「外すと転ぶ不安感が看護師にある」、「看護師は設置に罪悪感がある」に差がみられた。家族の立場の推察において「(転倒予防センサーの設置は家族に)転倒リスクが高いことを意識させる」に差がみられた。以上のことから、転倒予防センサーは設置方法によっては倫理的課題を包含していると看護師は認識しており、設置方法の臨床判断をその点を踏まえて本プログラムに組み込んでいく必要が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床判断力の育成は経験知を積み重ねて育成されるため、通常数年かかるとされている。本研究は、次年度に最終段階としての検証とプログラム修正は残っているものの、転倒予防の臨床判断力と必要な知識蓄積を包括的に系統的に育成できるトレーニングを作成できた。
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今後の研究の推進方策 |
看護師を研究対象者とし、作成したコンピューターシミュレーションプログラムについて教育効果や課題がないか検証を行う。対象者のリクルートはすでに協力施設が得られており問題はない。
研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題 計画変更は特になし。課題については、トレーニング実施における看護師の臨床判断過程を電子的にとりまとめて保存することをコンピュータプログラマーに依頼する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関わる発売予定の専門書籍の販売が遅れたため、購入できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度その書籍を購入するため、問題はない。
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