研究課題/領域番号 |
24390491
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山勢 博彰 山口大学, 医学系研究科, 教授 (90279357)
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研究分担者 |
山勢 善江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30279351)
立野 淳子 山口大学, 医学系研究科, 講師 (90403667)
田戸 朝美 山口大学, 医学系研究科, 助教 (30452642)
藤田 直子 山口大学, 医学系研究科, 助教 (40549945)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 重篤・救急看護学 / 家族看護 / 家族アセスメント |
研究概要 |
本研究の目的は、クリティカルケア領域の家族ニードとコーピングを測定する改訂版CNS-FACEを作成し、これまでに開発した標準的家族看護モデルを基に、家族ニードとコーピングを満たすための「CNS-FACE家族介入モデル」を開発することである。24年度は、1.現CNS-FACEの改善点をインタビュー調査によって明らかにすることと、2.現CNS-FACEの改善点をWEB調査によって明らかにすることを目的とした。 1.のインタビュー調査では、クリティカルケア看護のエキスパートである認定看護師および救命救急センターとICUの専任看護師の計8名より、現CNS-FACEの使用上の問題点、項目の修正点などについて調査した。その結果、観察しづらい評価項目があり表現を修正すべきところ、時間がかかるためより簡潔に評価できる工夫、ニードとコーピング以外のアセスメントの視点を追加することなどの問題点と修正点が明らかになった。 2.のWEB調査では、全国の急性重症患者看護専門看護師、集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師等の内、今までCNS-FACEを使用したことのある看護師、または使用予定の看護師を対象に調査を行った。その結果、208名の看護師より回答があった。CNS-FACEの利点として、「家族ニードをアセスメントすることができる」(94%)、「客観的な家族アセスメントができる」(68%)などの評価が多くを占めていた。欠点として、「アセスメントに時間がかかる」(23%)、「ニードとコーピング以外のアセスメントをしなくなる」(21%)などがあった。改善点としては、「タブレットタイプ等のパソコンでも使えるようにする」(55%)、「項目数を減らす」(26%)などがあった。また、個々の評価項目で表現を修正すべきものも見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、クリティカルケア領域の家族ニードとコーピングを測定する改訂版CNS-FACEを作成し、「CNS-FACE家族介入モデル」を開発することである。24年度は、1.現CNS-FACEの改善点をインタビュー調査によって明らかにすることと、2.現CNS-FACEの改善点をWEB調査によって明らかにすることを目的としたが、いずれの研究目的も計画通りの調査を実施することができた。WEB調査では目標としていた約500名の看護師からのデータを集計することはできず、半数弱の看護師のデータとなった。しかし、200名を超える対象者からのデータであり、量的分析にも十分耐えられるサンプルサイズで、当初目的のCNS-FACEの改善点を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今回明らかにした現CNS-FACEの改善点を反映させ、改訂版CNS-FACE(プロトタイプ)を作成をする。まず、全治療期のCNS-FACEの改良後の測定項目をすべてリストし、ベースとなる改訂版CNS-FACEを作成する。これを基に、クリティカルケアでの各期の特徴を捉え、各治療期にふさわしい測定項目とする。これを、改訂版CNS-FACE(プロトタイプ)とする。次に、インタビュー調査によって、改訂版CNS-FACE(プロトタイプ)の測定項目のさらなる精選・修正を行う。 また、改訂版CNS-FACE(プロトタイプ)による測定システムを、WEBプログラムとして構築し、実際の家族アセスメントを行って、改訂版CNS-FACEによる測定を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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