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2014 年度 実績報告書

入浴事故の実態解明と入浴の安全性および危機管理システム構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24390492
研究機関群馬県立県民健康科学大学

研究代表者

肥後 すみ子  群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (90320770)

研究分担者 深井 喜代子  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
村木 克爾  岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (30254600)
小澤 芳子  山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60320769)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード入浴事故 / 起立動作 / 立ちくらみ / 脳血流 / 自律神経
研究実績の概要

高齢者を対象に事故発生の要因を明らかにするために「入浴事故の要因究明に関する疫学研究」を題して研究に取り組んだ。研究の対象者は、群馬県M市に在住する60歳以上の高齢者で入浴事故に遭遇した経験のある人をケース群に50名、経験のない人をコントロール群50名を設定した。研究デザインはケース・クロスオーバー法を用いた。入浴事故は冬季に多く発生するため、研究期間は1年間とした。研究の倫理審査は研究者が所属する大学の承認を得ている。データ収集は、調査対象者の研究依頼が困難な状況があり現在目標に達成していないため現在もデータ収集中であるが、本年12月中までに終了させる予定である。次に、入浴事故が高齢者に多いこと、意識障害が発生することが多いことからその誘因を浴槽内での脳血流変化によるものと仮定し、入浴実験を実施している。本研究に関する先行研究は1件しか見当たらないため、まず、若年者(20名)を対象に湯温40度の入浴と湯を入れない空浴の2種類を用いて10分間浸水し、5分後と10分後にゆっくりと起立動作を30秒行い、血圧、心拍数、自律神経、脳血流指標として酸化ヘモグロビンを測定している。現在2/3のデータ収集が終了したところである。傾向として若年者であっても40度湯温の入浴において約1/3の被験者に一瞬の「立ちくらみ」の申告があった。この後、高齢者を対象にした実験を同様に計画しているが、入浴時間を5分以内に短縮すること、安全な起立動作を工夫して実施する必要が示された。この若年者を対象にした研究は、今年度中に学会発表する予定である。高齢者を対象にした入浴実験が終了し、学会発表と論文作成が終了した後に、研究成果を通して入浴事故予防に関する啓もう活動を取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の研究(群馬県を対象に入浴事故の実態調査)と含めて3つの研究を同時に実施しているため、時間的に余裕がなく遅れがちになった。研究の目的達成度としては約70%である。その理由は3つとも研究代表者が所属する倫理審査委員会の承認は得ており、データ収集はすでに開始しており、その見通しも立っている。

今後の研究の推進方策

上記の現在までの達成度に示した3つの取り組みを続行する。群馬県を対象に入浴事故の実態調査を行った研究については、学会発表と論文作成に取り組む。「入浴事故の要因究明に関する疫学研究」と入浴が脳血流に及ぼす影響に関する研究に関しては、データ収集を続行し、12月までに終了させる予定である。現在のところ、計画の変更は考えていない。平成24年度の本研究申請書では、入浴事故予防に関する啓もう活動までを研究目的にしていた。しかし、研究期間内に達成できるか不安が残るが、目標達成できるように努力したい。

次年度使用額が生じた理由

入浴事故に関する実態を解明するために全国調査を予定し、研究を進めていたが、本研究と研究内容がまったく類似した論文(平成23年11月発表)を検索した。その研究成果から、当初構想していた研究方法では、本研究の目的達成は可能であるが、研究意義は低いと判断した。しかし、群馬県に関してはデータ収集がかなり進んでいたため本県だけは続行することにした。そして、入浴事故の要因に関する研究はほとんど行われていないため、入浴事故の要因を探求することを目的に、ケース・クロス・オーバー法を用いた疫学研究を実施することになった。また、入浴実験の準備が遅れたため使用額を繰り越した。

次年度使用額の使用計画

実験施設使用料 被験者への謝礼 実験補助者の謝礼
データ整理のアルバイト 学会発表旅費

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公開日: 2016-06-01  

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