研究課題/領域番号 |
24390497
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 眞知子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80179259)
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研究分担者 |
清川 加奈子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70432317)
加藤 寿宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80214386)
細馬 宏通 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90275181)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アイトラッカー技術 / 視機能活用 / 重度障がい児 / コミュニケーション力 / 子育て支援 |
研究実績の概要 |
26年度の目標は、1.アイトラッキング技術を用いた子どもの日本版理解度評価指標の開発、2.アイトラッキング技術を用いた子どもの理解度に応じた日本版コミュニケーション育成プログラムの開発であった。 実績は、次のとおりである。目標1.について:一部ファイザーヘルスリサーチ研究助成を得て、Windows PCを基盤に、マウス操作だけではなく、アイトラッキング技術による視線操作やスイッチ操作にも対応する5種類のコンテンツから構成された「まなぶ はじめてのひらがな」学習ソフト(アプリケーション)を開発した。 その成果を社会に還元するために、京都大学のホームページ、京都新聞や財経新聞ネット電子版、第41回国際福祉機器展で広く広報した。 また、その有効性を検討するために、主として、脊髄性筋委縮症最重度の3歳~中学校3年生8名、比較対象として健康な幼稚園児、筋ジストロフィー、脳性麻痺児8名に実装し、結果を、第24回日本小児看護学会やEuropean Early Childhood Education Research Association 24th Conference,2014.9.9, Greece(EECERA)で発表し、意見交換、情報収集することで開発内容に反映させた。 目標2.について:目標1.で開発したコンテンツを中心に据え、汎用性のある携帯可能なマイクロソフト社製 タブレットパソコン Surface Pro.3を用いた重度の障がい児コミュニケーション力育成プログラムを設計した。 今後は、システム全体のオペレーション(操作、試験運用)と、関係者や保護者によるオペレーション評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標では、協力関係にあったイタリアの心理学会チームが開発したプログラムを日本で用い、その結果をイタリアの子ども達と比較検討しながら、日本版の指標を開発する予定であった。しかし、イタリアで開発された評価プログラムは、シンボルを用いた指標であり、日本の重度障がい児の理解度を査定するには、馴染みにくく、対象とする子どもの実態把握や保護者、当該児の教育経験者などの意見、実装実験を積み重ねながら、実績概要にも示した日本の重度障がい児に用いやすい指標を開発した。 そのように、一部開発ステップに変更はあったものの、当初の計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、最終年度となるため、持ち運びが自由であるという開発したシステムの特徴を生かし、これまでに培ったネットワークを広く活用し、積極的に日本全国の当該対象児や保護者、関係者のヒアリングを行い、システムの評価、改良により、研究を推進する予定である。また勇美記念財団研究・研修会助成を得たことから、東京、北海道、名古屋、大阪の各地域で、システム活用を促進するための支援者研修会を開催する予定であり、このことにより、さらなる研究の推進につながるものと考えている。
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