研究課題/領域番号 |
24390501
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
有森 直子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (90218975)
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研究分担者 |
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (70157056)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 意思決定支援技法 / 生殖医学 / 評価研究 / 東アジア / 看護 |
研究概要 |
2013年度に、研究代表者の有森は、本研究以外の教育活動として大学院生・看護師を対象に「意思決定支援」を実施してきた(認定看護師教育課程、看護学大学院の授業、および卒後教育としてのHTLV-1母子感染予防に関する意思決定支援教育プログラムの実施)。これらの経験から、①ロールプレイの効果的な学習方法(特に反復することの効果)、②看護者自らの意思決定の在り様をリクレクションしながら、クライエントに行う意思決定支援を理解すること、③葛藤状況にある当事者の語りの効果、④意思決定における「情報提供」としての説明行為と相手の理解度に合わせた確認行為の違いを如何に効果的にプログラム構成するかを本研究のオリジナリティとすることがより明確となった。特に、意思決定支援の「総論」を理解したうえで、各論の状況としてのリプロダクション課題の知識(不妊症、出生前検査等)を学ぶこと、様々な状況の意思決定支援(各論)の具体的な展開を学んだ後に、他への応用が可能となるのか否かを比較検討することは、今後のプログラムの汎用性において重要な点となる。以上の実績を踏まえて、教育プログラムの修正版を作成した。また、アウトカム指標については、すでに翻訳されているSDM-Q-9(Shared Decision Making Question 9 )の信頼性・妥当性の検討、Decision Conflict Scaleの計画を進めた。プログラムの評価指標について、Decision aids for people facing health treatment or screening decisions(review)2014年版を確認しながら。教育プログラムの評価尺度(OPTIONS,COMRADE等)の翻訳を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
意思決定支援に関する研究は、介入研究の動向をみても、The Cochrane Collaboration Decision aids for people facing health treatment or screening decisions (review) が、2012年に続いて2014年にも発刊されていることから、研究計画書作成時(2011年)の内容を再検討する必要性について研究班で議論されてきた。特に、アウトカム指標となる尺度も増加傾向にあり、その尺度の分析も合わせておこなっている。さらに研究代表者である有森は、様々な意思決定支援の教育活動を通して教育プログラムの再考の必要性も認識しており、当初の介入研究のデザインおよび研究計画の見直しを定例の会議を通して議論を進めてきた。以上の理由により、研究計画の再考を実施前に行う必要が生じたため、やや計画よりも遅れている。 また、本研究の目的の一つである、東アジアのネットワーク構築については、研究成果をもって討議することが望ましいという結論となり、最終年度にグローバル・シンポジウムを開催することに計画を修正した。
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今後の研究の推進方策 |
2012,2013年度に、研究代表者の有森は、本研究以外の教育活動として大学院生、看護師を対象に、「意思決定支援」を実施してきた。これらの経験から、①ロールプレイの効果的な学習方法(特に反復することの効果)、②看護者自らの意思決定の在り様をリクレクションしながら、クライエントに行う意思決定支援を理解すること、③葛藤状況にある当事者の語りの効果、④意思決定における「情報提供」としての説明行為と相手の理解度に合わせた確認行為の違いを如何に効果的にプログラム構成するかを本研究のオリジナリティとすることがより明確となった。特に、意思決定支援の「総論」を理解したうえで、各論の状況としてのりプロダクション課題の知識(不妊症、出生前検査等)を学ぶこと、様々な状況の意思決定支援(各論)の具体的な展開を学んだ後に、他への応用が可能となるのか否かを比較検討することは、今後のプログラムの汎用性において重要な点となる。 以上の要素を考慮したプログラムのアウトカムについても、①看護者のアウトカムと、②クライエントのアウトカムの両方からの評価を計画している。尺度は、すでに翻訳されているSDM-Q-9(Shard Decision Making Question 9 )の信頼性・妥当性の検討、Decision Conflict Scale,を成果尺度とし、プロセス評価についても測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画を変更し、2012~2013年度に予定されていた東アジアのメンバーと共同で行うグローバル・シンポジウムの開催を最終年度に報告会の形で行うこととしたため、使用額に変更が生じた。 今年度は、教育プログラムを実施するためのリクルーティング費用と開催費用に加え、グローバル・シンポジウム開催にむけた交渉等の準備費用も予算化し、消化していく計画である。
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