研究課題
本研究の目的は、高齢者の豊かな最晩年を創出する終生期ケア質指標を看護学の視点から開発することである。高齢者の終末期ケア・緩和ケアに関連する国内外の文献レビュー(海外文献149件、国内文献34件)や日本の医療関連ガイドラインをもとに、米国の医師により開発された脆弱高齢者のための緩和・エンドオブライフケアの質指標(K.A. Lorenz, 2007)の形式を参考に、61項目からなる質指標候補Aを作成した。その質指標候補Aに、「いきいき健康教室」に参加した高齢者ならびに家族のインタビューと、ELNEC-JG(高齢者のエンドオブライフケアや緩和ケアにまつわる看護教育の指導者養成プログラム)研修会に参加した看護師のフォローアップ時の実践事例の分析結果を統合し、質指標候補Bを作成した。その後、老人看護専門看護師3名を含む計12名から成る看護学の専門家会議3回、学際的な専門家4名(医学、生命倫理学、死生学)を加えた専門家パネル1回を経て、質指標候補Cを作成した。その質指標候補Cについて、臨床(地域を含む)で勤務している老人看護専門看護師28名を対象にしたデルファイ調査により、妥当性の確保と洗練を図った。その結果、高齢者の終生期ケア質指標として、[前提]と[質指標33項目]の妥当性が支持された。質指標は、【意向の確認】【看護倫理に基づく日常ケア】【治療・ケア選択への関与】【症状・苦痛緩和】【臨死期の日常ケア】【家族ケア】【施設・組織の体制づくり】の大項目で構成される33項目の質指標となった。開発した質指標はベストプラクティスを示し、高齢者ケアの質向上に役立つと共に、高齢者が安心して生を全うできる成熟社会へと導くことに貢献すると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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