研究課題/領域番号 |
24390507
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
結城 美智子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20276661)
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研究分担者 |
高瀬 佳苗 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20455009)
福島 直美 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (60455798)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 福島原子力災害 / 避難者 / 住民交流 / コミュニティ / サロン / 健康支援 |
研究概要 |
平成23年3月11日に発生した福島原子力災害事故・東日本大震災によって役場機能とともに他地域への移住を余儀なくされた住民とその支援者を対象に、健康支援および避難先でのコミュニティ再構築にむけて、サロン活動を実施しその効果を測定することを目的としている。 平成24年度は、サロン開設にあたり福島県内の実態を検討した結果、現在もなお避難者が移動し23,000人以上の住民が避難先としているA市にサロンを開設し、健康相談、住民との交流、支援者のための支援をおこなった。さらに、サロン利用者の実態を分析するとともにその課題に対応した支援をサロン活動として位置づけた。サロン開設・運営は、社会福祉協議会、避難先・避難元自治体、行政地区リーダー、ボランティア組織、地域商店街など、関係機関・関係者との調整を図りながら整備した。常駐の看護職が健康相談を担当していること、支援者のための支援をおこなうことが本サロン活動の特徴としている。 サロン利用者の利用実態の分析から、次のことがわかった。相談内容等では(1)約半数が60歳以上である(2)約4割が支援者(3)高血圧の相談・血圧測定が約半数(4)心の悩み約2割(5)生活習慣・日常生活の問題約1割(6)その他、介護相談等があった。また、サロン利用目的では、借り上げ住宅で生活する利用者の半数に「おしゃべりする相手がいないので誰かと話したい」があった。 これらの結果から、支援者のための支援が必要であること、借り上げ住宅で生活する避難者への支援が仮設住宅者に比べて支援が行き届きにくいことなどがわかり、今後は詳細で縦断的な健康調査とその対応の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サロン開設は、当初予定していた地域ではなく、事故のあった原子力発電所に近いA市において取り組むこととした。災害から2年以上も経過しているが、現在もなお避難先として福島県A市には23,000人以上の避難者が移動し、新たに生活を始めていることから、A市での活動に取り組み始めた。避難者の実態把握およびサロン開設について関係機関・関係者との調整に時間を要したために、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
避難者支援活動をおこなっている支援者を対象に、心身の健康および支援に関する課題等について継続的に把握し、その結果に対応したサロン活動をすすめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)避難者の生活状況および健康状態に関する調査(2)避難者支援活動を継続しているコミュニティリーダーの健康調査(3)住民交流および健康相談のためのサロン運営の充実
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