研究課題/領域番号 |
24390509
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研究機関 | 関西看護医療大学 |
研究代表者 |
奥津 文子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (10314270)
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研究分担者 |
桂 敏樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00194796)
荒川 千登世 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10212614)
江川 隆子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (40193990)
森 敏 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40200365)
春木 香苗(臼井香苗) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50432315)
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
大門 裕子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90552638)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リンパ浮腫 / リンパドレナージ / 前処置 / ベスト型波動式装置 |
研究実績の概要 |
本年度は、平成25年度のプロトタイプを踏まえ、「ベスト型波動式リンパドレナージ装置」の作成にあたった。 リンパ連絡路および胸・背部に、手掌大で20~50mmHg以下の圧が10秒間隔でかかるように、さらにはその加圧が最終排液リンパ節(左右腋窩リンパ節)から始まり順次リンパ連絡路(側胸部~側腹部)に沿って波動式に離れていくように、工夫した。また、腹部は30mmhg以下の圧で臍部を中心に円を描くように加圧するようにした。特に最終排液リンパ節(腋窩リンパ節)に丁寧に加圧ができるように、袖ぐり部分が腋下にフィットするよう、試行錯誤を繰り返し作成した。最終排液リンパ節および最終排液リンパ節に続くリンパ管内のリンパ液が十分排液された後、さらに遠位のリンパ管内のリンパ液を無理なく移動させることができるように、加圧のリズム(6回/分)と方向にも工夫した。これらの装置開発により、前処置の手順が電動装置によって適切かつ簡便に行えるようにした。 波動式ドレナージ装置は、リンパドレナージの手技から考えると、素肌に装着し皮膚を動かす仕様であることが望ましい。しかし、皮膚に密着する素材を使用すると、試作装置装着時に不快感の訴えが聞かれた。この状態における脳血流および脳波は「緊張状態」が確認された。リンパ液の流れはリラックス状態であるか否かに大きく影響することを鑑み、皮膚に密着する素材を使用することは断念し、リンパ浮腫用圧迫ストッキングの圧の範疇でソフトに圧迫するのみとした。 ドレナージ装置装着時の不快感・苦痛もなく、健康なリンパ管のドレナージ(前処置)が安全に行えることが、研究者の装着により確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロトタイプをもとに、「波動式リンパドレナージ装置」がほぼ完成した。ほぼ予定どおりの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず、健康な成人20人に対し、「波動式リンパドレナージ装置」装着による評価を行う。その結果を踏まえ、近隣の医療機関と協力しリンパ浮腫をもつ者に対する装置の効果等の評価に入る予定である。健康なリンパ管へのアプローチであることから危険はないと考えられるが、医師と十分に連携を取り、進める。早々に本学における医の倫理委員会審査を受ける計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
波動式リンパドレナージ装置の素材を、当初は肌に密着するものを使用する予定で予算を立てていたが、使用感の悪さ・リラクゼーション効果の低さから、素材の変更が余儀なくされた。素材の変更により支出が抑えられ、未使用の使用額を次年度へ繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
素材の変更によりドレナージ効果が低下することが無いように、ドレナージの圧・方向・リズムの微調整を、当初の計画より綿密に繰り返し実施する。その結果生じる装置改善のための経費に、「次年度使用額」を使用する予定である。
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