研究課題/領域番号 |
24390510
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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研究分担者 |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (90364033)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50508794)
安本 理抄 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (00733833)
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80191146)
和泉 京子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80285329)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的不利 / 子ども虐待 / 発生予防 / 家庭訪問 / 周産期 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である母子保健活動において保健師が最も支援困難な対象に対する支援方法を明確にするために、平成26年度は以下のことを実施した。 1.新生児家庭訪問実施のカンファレンスの継続実施 平成26年度は436事例のケースカンファレンスを実施した。436事例の把握経路は、母からの連絡が199名(45.6%)と最も多かったが医療機関からの紹介も52名(11.9%)と平成25年度と同様であった。436事例の母親の平均年齢30.15±5.4歳、母親の健康問題あり48名(11.0%)、シングル23名(5.3%)、児の出生体重2500g未満62名(14.2%)、児の健康問題あり64名(14.7%)、EPDS9点以上48名(11.0%)、ボンディング3点以上96名(22.0%)であった。家庭訪問後の方針は、継続支援ありが218名(50.0%)と半数を占めていた。医療機関から紹介の有無別では、紹介ありの方が、母の年齢が19歳以下、母の健康問題あり、児の健康問題あり、児の出生体重2500g未満、継続支援ありが有意に多かった。「社会的不利」な要因として、19歳以下の13名、シングル23名についての個別事例の分析およびbondingが3点以上の96名の4か月児健診、1歳半児健診での育児状況について把握し、必要な支援について検討していく予定である。 2.家庭訪問実施者への研修の継続実施 本年度も家庭訪問実施者へ研修を実施した。実施内容は、保健師、小児科医師、臨床心理士、児童福祉司などによる8つの講義と事例検討である。研修終了後の自由記載による学びの記述では「親支援の重要性が再認識できた」、「実践事例への支援を確認することをできた」など概ね理解が深まったと考えられる。事例検討は時間内にグループで1事例しか検討できず、今後方法をさらに検討していくことが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も家庭訪問実施事例の分析を行うことで、支援が困難な子どもと家族の特徴を捉えることはできつつある。さらに詳細な観点からの分析をすすめて行くことが必要である。また、家庭訪問を実施するにあたっての虐待保健を基盤にした研修がさらに必要であると考える。研修内容についてさらに検討していくことが必要になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
家庭訪問実施群と未実施群にわけて分析を行っていくことが困難な状況である。実施群についての詳細な分析を行っていきたい。新生児家庭訪問実施後、4か月児健診、1歳半児健診での母親の育児状況と新生児家庭訪問後の継続支援との関連を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施計画では、家庭訪問を行った母親への質問紙調査の実施を予定していた。研究フィールドの市と質問紙調査の実施について検討中であるが、本研究以外の調査が行われたため、本研究の調査を実施することが困難であった。 平成27年度は研究の最終年度であるので、研究を実施している市と調査内容について再度検討し、調査を実施していく予定である。本研究で行ったプログラムの評価として実施していく。
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次年度使用額の使用計画 |
家庭訪問が終了した対象者の調査のための通信費として使用していく。またその調査の入力、データ処理費用も必要である。
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