研究課題/領域番号 |
24390511
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
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研究分担者 |
松下 健二 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (90253898)
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10303132)
加治 秀介 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90224401)
金 外淑 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90331371)
森本 美智子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60342002)
高見 美保 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50613204)
藤尾 祐子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 助教 (60637106)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 食 / 生活再構築 / 看護学 / 高齢者 |
研究概要 |
平成24年度作成した支援モデル案に基づき準実験的研究を実施した。初回調査を経て情報を収集したのち、調査結果に基づき、個々の入居者の「食」の改善を主眼としたプログラムを入居者・家族・介護スタッフへ提案し、実施可能な内容を協議した上で3カ月間実施していただいた。それらの実施が可能なように、入居者・家族、介護スタッフを対象とした研修会を入居者・家族を対象に月1回計3回、介護スタッフを対象に月1回計3回開催した。開始1カ月後、2カ月後に食事の状況を伺い、問題がある場合にはその改善策を検討した。3カ月間の介入終了後に効果を評価した。改善が難しかった事例に関しては、その後も継続し支援を行った。プログラムの開始から6カ月後に効果の評価を行った。 対象者は高齢者福祉施設に入居する148名(男性35名、女性113名、平均年齢84.8歳)であった。3カ月後評価の評価では、プログラム実施前と比較し、栄養摂取量には有意な変化はみられなかったが、食欲および水分摂取量は有意に上昇し、体重も平均値で約400gとわずかではあったが有意に増加した(P<0.05)。また、口腔内の汚れ、舌苔が有意に減少した(P<0.05)。その結果、発熱の頻度が減少し、自立度の向上がみられた。このように効果はみられたが、まだ改善の余地があると考えられた127名(85.8%)についてさらに3カ月介入を実施した。その結果、プログラム開始から6カ月後、食欲、栄養摂取量、水分摂取量、体重の平均値は有意に増加した(P<0.05)。以上のように本プログラムの成果はみられたが、改善の速度は緩慢であるため、長期的に継続した支援の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり、平成24年度に作成した支援モデル案に基づき準実験的研究を実施した。介入前、介入3カ月後、介入6カ月後におけるQOL、ADL、認知機能、栄養状態、感染徴候、口腔健康状態などの148名のデータを収集している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は本研究の最終年度であり、次の2点を実施予定である。1.試行している支援モデルの1年後の追跡調査が終了するので、最終評価と分析を行い、支援モデルの効果について検討する。2.1をふまえて、専門家らによる支援モデルの一般化を検討し、汎用モデルへの提言を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
口腔細菌計測機の購入を考えていたが、借用することができたため次年度使用額が発生した。 当初の計画より多数の対象者が得られ、旅費のかかるフィールドであるため、口腔検査用消耗品(ディスポーザルデンタルミラー、口腔細菌測定用キット等)の購入、旅費に充てる。
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