研究課題
本研究はインド亜大陸でガンジス・インダス両河川に次ぐ規模を持つ、ゴダバリ川・クリシュナ川下流平野の地形と遺跡分布に注目し、完新世の地形形成や環境変化を明らかにすることをめざした。最終年度である2015年度は、これまでに実施した調査結果のまとめと、前年度末の2015年3月に実施した現地調査のデータ整理などを踏まえ、インド側研究協力者のアンドラ大学Nageswara Rao教授、Hema Malini教授らと共に2015年7-8月に名古屋国際会議場で開催された国際第四紀研究連合(INQUA)大会で研究成果の発表を行った。また、本研究のきっかけを与えていただいた山口大学の貞方昇名誉教授に研究結果の報告をし、今後の方針について意見交換を行った。INQUA名古屋大会では、クリシュナデルタの発達過程に関する新たな成果、ゴダバリデルタとクリシュナデルタ双方の発達過程の比較とまとめ、コレル湖の形成と環境変化、ゴダバリデルタ・クリシュナデルタにおける遺跡分布と地形に関する計4件の発表を行った。研究期間全体を通じて実施した研究の成果についてまとめると、アンドラ大学で保有するボーリングコアの分析をもととしたゴダバリデルタ・クリシュナデルタの形成過程に関する研究成果と、主要な遺跡の分布とその立地条件に関する研究成果に集約される。前者はインド国内で初めてデルタの形成過程が詳細に明らかにされたもので、国際誌Paleo-3に発表した。後者もインド地域ではほとんど前例のないものであり、INQUA大会での発表を踏まえ、今後論文としてまとめる予定である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件) 図書 (1件) 備考 (1件)
The Bulletin of the Graduate School of Education of Waseda University
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http://www.f.waseda.jp/sumik/index.html