研究課題/領域番号 |
24401009
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
小松 久男 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30138622)
|
研究分担者 |
ティムール ダダバエフ 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10376626)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 記憶 / ソ連時代 / 中央アジア / カザフスタン / ウズベキスタン / キルギス |
研究実績の概要 |
本年度は、まずカザフスタン西部のウラルスク州で現地調査をおこない、カザフ人、コサック、ロシア人を含めて計7名にインタビューを実施した。これにより、カザフスタンでのインタビューは合計78名となった。また、カザフスタンとウズベキスタンでソ連時代の記憶に関する資料の収集にあたった。以上の作業と並行してインタビュー録音からの文字起こしと英訳の作業を進めた。 次に、これまでの成果のとりまとめを兼ねて、2015年9月11-12日に上智大学で開催されたThe Islamic Area Studies 5th International Conference "New Horizons in Islamic Area Studies: Asian Perspectives and Global Dynamics" においてSoviet-era Memories in Central Asia と題するセッションを開設し、研究代表者による趣旨説明の後、本研究の研究分担者・協力者3名が以下の研究報告をおこなった。 Timur Dadabaev, Dialogue of Past and Present in Remembering Soviet Past Guljanat Kurmangalieva, Soviet Legacy in Memories: Pros and Cons according to Oral History Studies in Kyrgyzstan ansd Kazakhstan Ilhan Shahin, Religious an Belief Ritualsamong the Kyrghyz in Light of Recollections その後、2名の討論者からコメント得て、活発な討論がおこなわれた。このシンポジウムでの報告と討論をふまえて、最終的な成果の発表となる英語論文集のための論考執筆を進めた。これは最終年度に、イギリスのPalgrave社から 刊行の予定となっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カザフスタンにおけるインタビュー調査は、現在78件までおこなっているが、これは当初予定していた100件にかなり近づいていると判断する。広大な国土を有するカザフスタンの全域をカバーすることは容易ではないが、最終年度に可能な限りの現地調査をおこなうことにしたい。インタビューの録音についても、文字起こしの作業はほぼ終えているので、あとは英訳の作業に集中することにしたい。 最終的な成果のとりまとめとして英語の論文集の計画を立てていたが、論文の作成は順調に進んでおり、イギリスの出版社とも出版契約を結ぶ見通しが立っている。
|
今後の研究の推進方策 |
英語の論文集が刊行された後、それをもとに国際的なワークショップを開催して、本研究がもつ意味と課題を共有する機会としたい。ソ連時代の記憶については、さらなる研究の蓄積が必要と考えている。 当初計画していたタジキスタンでの調査は、種々の事情で今回は行うことができなかった。これは別の機会に譲ることにしたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していたインタビュー録音の文字起こしと翻訳の作業が年度内に終わらず、また発注した書籍が同じく年度内に入荷しなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度は、翻訳謝金と外国語書籍の購入に充てる予定。
|