研究課題/領域番号 |
24401014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
内藤 正典 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (10155640)
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研究分担者 |
中西 久枝 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (40207832)
見市 建 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457749)
嶋田 晴行 同志社大学, アフガニスタン平和・開発研究センター, 嘱託研究員 (50568110)
見原 礼子 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 助教 (70580786)
ダニシマズ イディリス 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 助教 (70631919)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アラブの春 / 中東民主化 / イスラーム / トルコ / 社会学 / 地域研究 |
研究概要 |
平成24年度は主に以下の研究活動を行った。 (1)トルコについては、イスラーム主義政権に批判的なイズミル県を中心に、野党勢力の支持者、軍人等の現政権に対する批判的意見を現地調査を通じて集積した。また、米国のトルコ系財団を訪問し、その一連の活動が米国におけるイスラーム理解に対してどのような影響を有しているかについての調査を行った。 (2)イランについては、アラブの春のインパクトとしてのシリアにおける内戦がイラン外交にも多大な影響をもたらしたことに着目し、イランとシリアの関係及びイランの安全保障政策に関する問題について、イランの米国との関係改善問題及びイランの核問題との関わりについて分析を行った。 (3)インドネシアについては、同国のイスラーム主義勢力の動向について調査するため、議会内の穏健派から武装闘争派まで現地においてインタビューや資料収集を行った。とりわけ国政および地方の政治動向のなかでイスラーム主義勢力がどのような立場にあるのか、詳細な分析を行った。 (4)アフガニスタンについては、日本国内及びオーストラリア国立大学での資料収集および聞き取り調査を実施した。 加えて、JICAの業務として2度のアフガニスタン出張で現地情報収集を行った。アフガニスタン情勢の焦点は2014年以降の動きにあるが、現時点で政治的な先行きを見通すことは困難である。しかし、少なくとも現政権、タリバン等の反政府勢力、そして米国政府が、それぞれが許容できる妥協点を模索していることは明らかとなった。 (5)ヨーロッパについては、オランダおよびベルギーにおいて、モスクやイスラーム学校での調査を通じて、ムスリム移民が提出している異議や改革の要求、およびそれに対する自治体や国家の応答がどのように変化しつつあるのかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初研究目的として掲げた「アラブの春」の非アラブ圏への影響は、チュニジア、エジプトでのその後の混乱が顕在化したため、多様なかたちで非アラブ圏にも波及しつつある。そのため、研究目的が時宜にかなったものであることが名実ともに明らかとなったところから、研究は順調に推移しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
各研究分担者が担当する諸地域における実態分析を平成25年度も継続し、最終年度において、アラブ圏での民主化過程の非アラブ圏へのインパクトがいかなるかたちで現れたのかを総括する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は諸般の事情により、連携研究者である横田貴之の本研究枠組みにおけるエジプト出張を実施できなかったため、当該助成金は、同氏の平成25年度の旅費に充てるほか、研究代表者および研究分担者が調査のためより長期の滞在を必要とする場合の旅費に充てる予定である。
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