研究課題/領域番号 |
24401020
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
原田 あゆみ 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 主任研究員 (20416556)
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研究分担者 |
小泉 恵英 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部博物館教育課, 課長 (40205315)
藤田 励夫 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 保存修復室長 (00416554)
末兼 俊彦 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (20594047)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | タイ / 交易品 / 文化交流 / 博物館 |
研究概要 |
本研究は、13~18世紀のタイにおける異文化の受容とその展開を探り、文化交流の実相を浮かび上がらせることを目的とし、交易品に着目してその関係資料を横断的に調査している。平成25年度における研究実績は以下のとおりである。 4月23日~25日仏教美術・歴史班 13世紀の文化財について調査及び現地共同研究者と調査報告会、次回調査協議を行った。6月4日~14日 日本国内にてタイ共同研究者と在日タイ文化財について調査及び調査報告会を開催。11月6日~8日工芸班(染織) シンポジウム「Weaving Royal Traditions Through Time」参加、バンコク国立博物館染織調査を通し交易染織についての情報を得た。11月9日 現地共同研究者と調査報告会及び本研究を基盤に平成29年開催を目指した展覧会について協議した。11月6日~10日工芸班(金工・陶磁器)王室博物館、芸術局収蔵庫、バンコク国立博物館、バンコク及び近郊のプライベートコレクションの調査を行い、日本由来文化財及び変容について調査、意見交換を行った。12月14日~15日歴史班 江戸時代、堺市に伝来したタイ仏画に関する調査として国立美術館及びその周辺で同系統の仏画調査を行った。堺市に伝わった(戦時下に焼失)仏画に関する記録を英訳し、現地共同研究者との情報共有を行った。12月28日~26年1月2日民族班 北タイにてタイ族の伝統的生活様式に関する調査を行った。外来文化と在来文化の差異について、現地共同研究者と意見交換を行った。平成26年1月31日~2月5日 仏教美術班 13世紀から18世紀のタイ仏教美術に関する調査を行い、現地共同研究者と調査報告会を行った。3月2日 研究分担者、国内協力者とともに平成25年度の共同調査の統括を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の成果の一部は、平成29年に開催予定の日タイ修好条約130周年事業特別展へとつなげることを目指している。日タイ双方の協力体制が緊密であるため、現地調査はおおむね順調に進んでいる。これまで一部に知られながら、具体的な調査がなされていなかった日本から伝わった文化財の調査と、それがタイ社会に及ぼした影響について正当な評価を行うことが、本研究の独創性につながっている。本研究は、基本的に、日、タイの共同調査を基本としており、調査成果を共有することができる一方、両者の日程を調整する必要があるため、効率性にはやや欠ける。また、広い分野にわたる調査を展開しているため、研究分担者、協力者の調査成果を集積し、データベース化を急ぐ必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き国内外において調査を行う。調査成果のデータベース化を進め、最終報告に向け資料の見直しを行う。本研究の総括のために、タイ現地にて共同セミナーを開催し、その成果を報告書にまとめていく。 また、日タイの共同研究を今後も継続し、その研究成果を日本のみならずタイ側にもさらに還元していくために、平成29年の日タイ修好条約130周年事業として特別展展覧会を計画し、それに向けて長期的な視野で研究協力体制を結んでいく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた調査の一部が、調査地との調整により延期となったことと、最終年度に日タイで研究成果報告会をセミナーとして開催することになったため、セミナー開催のための予算として、次年度に繰り越させていただくことにした。 本研究の総括のために、本研究の研究分担者及び研究協力者が参加してタイ現地にて共同セミナーを開催し、その成果を報告書にまとめていく予定である。
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